ムラツチ議員(右)の支援者約50人が支援を誓い合った
ムラツチ議員(右)の支援者約50人が支援を誓い合った
 昨年のカリフォルニア州議会下院議員選に初出馬で当選を果たした民主党のアル・ムラツチ議員の再選を目指し、日系人の支持者らが3日、日米文化会館に集結し、議員を囲んだ選挙活動資金集めのためのレセプションを開いた。
 レセプションには、日系人と日本人約50人が集まった。日系人後援会のヘンリー・オオタさんが、あいさつに立ち「アルは、われわれの社会を代表しサクラメントで任務にあたる政治家のリーダーだ。議会では党を超えて、リーダーシップを発揮している。われわれに密接するビジネス上の問題にも取り組んでいる」と活躍を紹介。支援者に向け「アルがサクラメントで引き続き活動できるように、心を1つにして戦った2012年の選挙の時のように全力でサポートしよう」と決起を呼びかけた。
あいさつに立つムラツチ議員
あいさつに立つムラツチ議員
 日系政治家は、連邦議会では有力議員―故ダニエル・イノウエ氏(元ハワイ州選出上院議員)を筆頭に、ノーマン・ミネタ氏(元運輸長官、元カリフォルニア州選出下院議員)、ドリス・マツイ氏、マーク・タカノ氏(ともにカリフォルニア州選出下院議員)、メイジー・ヒロノ氏(ハワイ州選出上院議員)などがいる。
 オオタさんは、これら議員の他界や高齢化による日系社会の連邦議会への影響力の低下を憂う。だが「アルは若く(49歳)、将来が嘱望される。カリフォルニア州で実績を積んで、将来はワシントンDCに行ってもらいたい」と、最終目標を述べた。「日系社会が推す卓越した能力を持つリーダー」と表現し、議会での活躍は、退役軍人や予算、法曹など、さまざまな重要な委員会、さらに同州と日本の橋渡しをし「すばらしい仕事をしている」と称賛。今回の選挙戦については「資金援助のみならず、他の多くのことで助けたい。われわれ日系人社会の継続した支援で、アルをサクラメントに送り戻す」と力を込めた。
 ムラツチ議員は、日系3世。米軍に従属した父親が駐留した沖縄の基地内で生まれた。高校まで日本で教育を受け、UCバークレーとUCLAロースクールを卒業。加州法務省の検察官(弁護士)を務めた。トーレンス市教育委員会で教育長を務めるなど、教育に熱意を持つ。日系社会では、日系人の地位向上のために尽力する。家族は、兵庫県出身の妻博子さんと4歳の愛娘恵子ちゃん。
 ムラツチ議員があいさつに立ち、サウスベイ地区と日系社会の多大な支援に謝意を表した。大学時代に抱き、政治家を志すきっかけとなった第2次世界大戦中に強制収容された日系人への米政府の謝罪と賠償を勝ち取ったイノウエ元議員などの活動に影響を受けたことをあらためて紹介。委員長を務める各委員会でのさまざまな活動内容を説明し、特に地場産業の航空宇宙事業と教育、退役軍人の三本柱のプロジェクトを挙げた。中でも強調したのは、教育の重要性で、トーレンス市教育委員会での7年間で、財政難での教育の予算削減に反対した経験などを話し「教育予算は、子どもたちの将来への投資だ」と力を込めた。
 ムラツチ議員の選挙区は、サウスベイ地域の第66区。加州議会下院議員の任期は2年で、来年6月に予備選、本選挙は11月に行われる。【永田潤、写真も】
支持者と写真に納まるムラツチ議員(右から4人目)
支持者と写真に納まるムラツチ議員(右から4人目)

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