レッドカーペットに登場した(左から)李相日監督、渡辺謙、石田雄治プロデューサー、三石勇人代表
レッドカーペットに登場した(左から)李相日監督、渡辺謙、石田雄治プロデューサー、三石勇人代表
  
 今年で3回目となる日本映画の祭典「LA EigaFest 2013」が6日から8日まで、映画の都ハリウッドで開催された。初日にはエジプシャンシアターでオープニングセレモニーが行われ、USプレミアとなる「許されざる者」がオープニング作品として上映された。レッドカーペットには同作主演の渡辺謙、李相日監督をはじめ、オリバー・ストーン監督などハリウッドの映画関係者らが登場し、映画祭の幕開けに花を添えた。

故郷ロサンゼルスで同作を上映できた喜びを語る渡辺謙
故郷ロサンゼルスで同作を上映できた喜びを語る渡辺謙
 同映画祭は一般米国人に日本の映画や文化を浸透させ、日米の相互理解を深めることを目的に活動するNPO「Japan Film Society(三石勇人代表)」が主催している。
 「米国の観客に日本映画を広く知ってもらい、若手映画監督や俳優を支援し、日米の映画産業の発展を促すことがわれわれの使命。日本映画を楽しんでもらいたい」と三石代表は語る。
 期間中は宮崎駿監督の最後の長編アニメ「風立ちぬ」、吉田修一の原作を映画化した「横道世之介」など注目作のほか、米アカデミー賞公認映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」の特別セレクション、コンペティション作品の入選6作品も上映。そのほかハリウッドの映画関係者を招いたビジネスパネルも行われた。
 「許されざる者」の舞台あいさつで渡辺は「ロサンゼルスは私の故郷。この地で本作を上映することができてうれしい」と述べ、同作についても「(クリント・イーストウッド監督が撮った)オリジナル作品と本作は同じ時代が舞台だが、本作はオリジナルとはまったく違った作品に仕上がった。(殺陣シーンが多いため)息苦しい映画かもしれないが楽しんでもらいたい」と話した。

 

 オープニングセレモニーに出席したオリバー・ストーン監督(中央)

オープニングセレモニーに出席したオリバー・ストーン監督(中央)
  李監督は「オリジナルを尊重しながら新しい時代劇を作ったと思っている。西部劇を日本の時代劇にアレンジした作品なので、米国人の観客にどう映るのか反応が楽しみでもあり怖い」と語った。
 上映後には質疑応答が行われ、主演の渡辺、李監督、石田雄治プロデューサーが観客からの質問に答えた。
 同作は極寒の北海道で撮影。雨と寒さでみなが疲れ果てる中、渡辺はバーベキューハウスを貸し切り、たった一夜のバーベキューパーティーを催したという。「この時だけが唯一楽しいひと時だった」と振り返り会場の笑いを誘った。
 「映画は俳優という体を借りた人間がどう映るかで決まる」と李監督。渡辺をはじめ出演した俳優たちの演技を称賛した。
 「昔、黒澤明監督の『用心棒』をイーストウッド監督が西部劇にリメークした。それから何十年経った今、彼の西部劇を日本の時代劇で作った。とても運命的なものを感じている」と本作への思いを語った。 【吉田純子、写真も】

観客からの質疑応答に答える(左から)渡辺謙、李相日監督、石田雄治プロデューサー(右端)
観客からの質疑応答に答える(左から)渡辺謙、李相日監督、石田雄治プロデューサー(右端)

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