新年会のシーズン。家族、親戚、友人だけでなく職場、所属クラブや団体など、それぞれが新年会を開いて、何度も出席するのは日本人だけらしい。
 楽しさと付き合いが半々といったところなのだろうが、お正月の伝統行事や習慣が数々あるなかで、子供にとって楽しみなのは、なんといってもお年玉。アメリカの日系家庭、特に親が日本からきた新一世と呼ばれる家庭では今でもこの習慣は受け継がれている、と聞く。
 中には成人した子供でも、お年玉をもらっている。奇麗なお年玉袋は、いくつになっても格別なものらしい。日本語の勉強で苦労してきた子供たちでも、この時ばかりは日本の文化に感謝? 金額の多寡よりも、お年玉という江戸時代から継承されてきた風習を受け継ぐ当事者になれる感じが心地よいらしい。
 さて、お年玉には縁がない多くの人にとって、気になるのは今年の景気動向。2月から連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任するジャネット・イエレンさんは、米国経済の成長率について「2014年は3%台が期待される」との明るい見方。
 2008年後半から続いてきた景気停滞からほぼ抜けきり、「今年はより力強い成長が期待される」とし、当初の成長率2%台との予測を上向きに修正した格好だ。労働省が10日に発表した昨年12月の雇用統計でも、失業率は6.7%と前月比0.3ポイント低下し、約5年ぶりの低水準となっている。
 景気が回復し雇用が改善されれば、家計の収入が増えて支出も増やせる。それと同じ理屈で、国や州も税収が増えるから支出を増やせる計算。すでにカリフォルニア州のブラウン知事は、大幅に増額した次年度の予算案概略を発表している。
 それによると、景気回復に伴う税収増で一般会計は1068億ドルの規模に膨らむ。これによって、これまで歳出削減の対象とされてきた教育関係費や公園や交通関連などの公共施設への予算がかなり増やせる見通しだという。
 特に幼稚園から高校までの学校教育予算には452億ドルが割り当てられ、これは今年度より40億ドルも増えるというから、子どもたちにとってはお年玉以上に大きな意味を持つ贈り物といえる。
 こうした流れを受けて、今年の日系社会の新年会も、例年以上に華やかさを増しそうだ。【石原 嵩】

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