元旦はまず近所の神社へ初詣、今年の2日目は靖国神社へ。地下鉄の出口を出るともう目の前に大鳥居。厳粛な参道にずらりと並んだ屋台の数には驚いた。定番のりんご飴、おでん、焼きそば、焼き鳥のほか、明石大ダコのタコ焼き屋、広島風お好み焼、射的屋まで並びその数なんと160軒。参道には参拝客約15人が横一列に並び少しずつ進む。社殿前には大きな枠に布で囲ったプールのような賽銭箱。2礼2拍手1礼し神前に新年の願いを込めて頭を垂れる。
ネットによると今年の靖国神社の三が日の参拝客は大幅アップで第5位の245万人。第1位の明治神宮は319万人に達する。全国これだけ大勢の参拝客のお願いを果たして神様はいちいち覚えていられるのだろうか。いや、人々は今年も「願いを達成するぞ!」と自ら誓っているのに違いない。
人は目標を持った時に努力し力を発揮する。今年セリエAのACミランに移籍した本田圭佑選手は、小学生の時に「一流のサッカー選手になってセリエAに入団、10番で活躍する」という夢を書き残している。それは夢ではなく努力を誓う明確な目標だった。入団記者会見では「このチームを引っぱり変えてゆくのが自分の役割だ」と明言する。そこには控えめな日本人でなく目標を掲げ一歩一歩達成してきた自信にあふれるアスリートがいた。
2020年のオリンピックは東京に決まった。新年早々41歳の葛西紀明選手がスキージャンプのW杯で史上最年長優勝、17歳の高梨沙羅選手は女子スキージャンプW杯で通算15勝目をあげた。オリンピック招致プレゼンで活躍した佐藤真海選手の活躍でパラリンピックにも光があたり始めた、アスリート以外にも多くの人たちが明日への目標を掲げて頑張っている。
そこまで大きくなくてもいい。今年1年の健康と家族の幸せ、商売や仕事の成功、結婚の願いや社会貢献の決意でもよい。庶民にも平等に訪れるお正月に神前で新年への願いを祈り自分の努力を誓う、初詣は自らの決意を新たにする誓いの場なのだ。あなたの初詣の願いと決意は努力次第できっと叶いますよ、と神様はささやいたかな?【若尾龍彦】