創立55周年を祝し、入山正夫さんの掛け声に合わせ、乾杯をする江住村人会のメンバーら
創立55周年を祝し、入山正夫さんの掛け声に合わせ、乾杯をする江住村人会のメンバーら

あいさつに立つ白井会長
あいさつに立つ白井会長

 和歌山県南部に位置する江住村(現、西牟婁郡すさみ町江住)出身者で構成される「江住村人会」(白井マリ会長)は19日、創立55周年を記念した新年宴会をトーレンスのミヤコ・ハイブリッドホテルで催した。
 江住村で生まれ、8歳で渡米するまで同地で育った白井会長はあいさつの中で、「和歌山県民でも知らない人がいるほど小さな田舎ですが、故郷と仲間を思い同村人会を継続してきた先輩に敬意を示し、これからも江住の火が灯り続ける限り活動を続けていきたい」と、長年にわたりさまざまな形で協力してくれている会員にあらためて感謝の言葉を述べた。
 江住村人会は 1923年に結成されたが戦争で一時中断。その後1959年に「レタスキング」として知られる南弥右衛門さんをはじめ、南弥太郎さん、間所三之助さんらにより再結成され、新年会やピクニックなど本格的な活動を始め、現在に至る。
 他県人会同様、江住村人会の会員数も減少が続く中、会員の子供や孫など若者を呼び込もうと、数年前からボウリング大会も開始。それが功を奏してか、昨年のピクニックには大勢の家族連れが集まり、にぎやかな会となった。
 白井会長は、「新年会やピクニックでメンバーの顔を見るのを楽しみにしている会員がいる限り、活動を続けていきたい」と話した。
 この日初めてイベントに参加したアリソン・南さんは、レタスキングと呼ばれた南弥右衛門さんのひ孫。多くの親戚が住むカリフォルニアから遠く離れたボストンで生まれ育った南さんにとって、家族歴や日系アメリカ史には常に興味があった。「長年にわたり祖先が築き上げてきた遺産を学び、敬意を示すことはとても大切。彼らの努力のおかげで今の私たちがある」といい、これから江住村人会のイベントなどを通じ、先輩から当時の話が聞けるのを楽しみにしていると話した。
 また帰米2世の山本美恵子さんは、幼少期の約15年間を江住村で過ごした。山本さんは「人とのつながりが非常に強く、貧しいながらも村人同士が助け合い、支え合って生活をしていた。いい思い出ばかり」と振り返り、同村人会で懐かしいメンバーの顔を見られるのを毎年楽しみにしているという。
 この日はまた、80歳と88歳の会員にそれぞれ記念品が贈られるとともに、長年にわたる同会への貢献をたたえた。【中村良子、写真も】

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