奈良会長が新年のあいさつに立ち、来年の第75回記念の二世週祭パレードに青森から大型ねぶたを呼ぶことを伝えると、会場はどっと沸いた。奈良会長は、ねぶたを成功させるためには活動資金集めとメンバー増強が重要だとし、会員の結束と協力を求め「今年も仲よくし、みんなで楽しく県人会を盛り上げましょう」と呼びかけた。
昨年までリトル東京協議会の会長を2年間、今年は二世週祭実行委員長を務める岡本雅夫氏が「小東京の今と、今年の二世週祭」と題し講演を行った。同氏はかつて、ねぶた実行委員会の理事として活躍し、地元小学生に金魚ねぶたを持たせてパレードに参加させた。自らも小型ねぶた「暫(しばらく)」を制作し、提灯持ちとして練り歩くなど、小東京と、ねぶたをこよなく愛する。
岡本氏は、小東京について再開発の波に乗りビジネスが潤い、また市民と市警が一体となり防犯に取り組んだ結果「深夜を過ぎても多くの人で賑わい、ゆっくり食べて、遊べる安全な町になった」と強調した。「非日系の流入を大歓迎する」という一方で、その文化が根付いてないと指摘し「日本文化が見直されている」と力説。その文化の担い手とコミュニティーを守る日系人を中心とした若者の活躍を紹介した。二世週祭のテーマは「継続は力なり」を予定しており、その好例が2007年以来ほぼ毎年参加の「ねぶただ」と力を込め、メンバーのさらなる団結を促した。
奈良会長は、ねぶたが二世週祭に初参加した2007年の翌年に会長に就いた。ねぶたは、最初の1回限りということだったが、ねぶた囃子保存会を県人会の中に発足させ、日系の各種イベントで披露するなど郷土文化の普及に努めてきた。そして、日系社会の有志と協力し、中型ねぶた、子どもねぶたを、ほぼ毎年パレードに参加させると「大型ねぶたを再び」という気運は高まり、これらの地道な活動が実を結ぼうとしている。奈良会長は「みんなの努力でここまで続けることができている。ねぶたは、青森県が与えてくれた日系社会とリトル東京、県人会の宝である。この大きな財産を守って次の若い世代に伝えていきたい」と述べた。【永田潤、写真も】