小笠原流煎茶道南加総支部(山口弘支部長、山本秀教副支部長、会員約60人)は2日、新年を祝う茶会「初煎会」と親睦会をトーレンスのミヤコ・ハイブリッドホテルで催した。参加者は、鎌倉時代から伝わる作法に基づき、現代に適応された煎茶方式で入れられた新春の一服を堪能した。
この日の茶会は2席設けられ、1席目は中富翠美さん、2席目はコバクス翠由さんがそれぞれ末広点前を披露した。ベビントン翠美さんによる分かりやすい英語解説を聞きながら、参加者は心地よい琴の音色、お湯を湯のみに注ぐ音、床の飾り花やお香の香りを楽しみながら、茶菓子と45度で入れられた玉露の深みを堪能するとともに、九谷焼の茶器などに触れ、五感で煎茶会を満喫した。
日常礼儀作法の基本といわれる小笠原流の作法。参加者は、ひとつひとつに意味のある亭主の動きを拝見しながら、同流煎茶道の五箇条(1)誠を持ってのぞむこと(2)審議をおごらないこと(3)華美を誇らないこと(4)さびた中にも気品あること(5)わが心を師とすることなく、心の師となること―を学んだ。
お茶には抹茶と煎茶があり、茶葉には玉露、煎茶、香煎茶に大別される。その違いは、木の育て方や茶の製法などによるという。この日の茶会で提供されたのは最上級の玉露で、参加者はその濃厚な味と香りを堪能した。
初煎会の後に行われた親睦会で山口弘支部長は、「2014年も、煎茶道の普及を通して日米の親睦交流に尽くしていきたい」と抱負を述べた。また山本秀教・家元教授は、緑茶が昔から薬草として飲まれていたことに触れ、「年頭に緑茶をいただくことで、今年も一年健康に過ごせるように」と願うとともに、会員と団結し、さらに日本の伝統継承に努めたいと語った。【中村良子、写真も】