大きな拍手を送られる今年度の役員。左から2人目がデレック・フルカワ新会長
大きな拍手を送られる今年度の役員。左から2人目がデレック・フルカワ新会長
 南加庭園業連盟(約1100会員)は、第59回役員就任式と親睦昼餐会を2日、モンテベロのクワイエット・キャノンで開いた。日系主要団体から来賓を迎え、参加者約160人が見守る中、新会長に52歳の期待の若手デレック・フルカワさんが就任し、今年度の新役員が同連盟と社会の発展に貢献することを宣誓した。
 フルカワ新会長は、2年前に他界した父トムさんが営んだ庭園業を継ぎまた、連盟の会長も親子2代で務めることとなった。就任のあいさつに立った会長は「2014年は連盟にとって挑戦の年である」と力強く宣言。「大多数の会員は引退しているが、前進するのみ」と、会の高齢化や後継者不足に対応する意思を示した。運営に関しては、連盟所有ビルの管理と会員の健康保険などのベネフィットの充実、Eメール、ソーシャルメディアの活用、一般に公開する家庭菜園セミナーの継続に努める考えを表した。連盟
就任のあいさつに立つデレック・フルカワ新会長
就任のあいさつに立つデレック・フルカワ新会長
を支える長年の会員の活躍に敬意を表しながら「会員は高齢化しているが、力を合わせ庭園業連盟を前に進ませよう」と呼びかけた。
 同連盟顧問の小山信吉さんによると、フルカワ会長の父親が会長に就任したのは1973年で、連盟会館が完成した翌年だったといい「日系の庭園業が一番活気のある時代で、多くの会員をまとめる大変な仕事をやってくれた」と振り返った。小山さんは、新会長について「父親の遺志を継いで会長になってくれて、とてもありがたい。若い会長なので、連盟の貴重な人材で宝物だ」と喜ぶ。「できることなら、連盟の若返りをしてもらいたい」と願うが、後継者不足は否めず「できる限りのことをやってほしい」と期待を寄せた。
 来賓の代表が祝辞を述べ、設立から約60年におよぶ庭園業連盟の業績を賞賛した。在ロサンゼルス日本総領事館の須賀正広首席領事は「1955年の発足以来、すばらしい活動をしている。日系の庭園業者は絶え間ない努力で、事業を拡大し、家族を養い、社会に貢献してきた」と絶讃。自身も庭師である大日本農会南加支会の福岡健二さんは「みなさんのやってきたことは立派なことで、社会は感謝している」とエールを送った。全米日系人博物館のヘレン・オオタさんは、81歳で今もなお現役で庭園業を営む父を持ち、その重労働や社会的役割を力説し「みなさんは、庭園業において日系史に刻む功績を残した」と敬意を表した。
 日系3世のフルカワ会長は、14歳の頃から家業を手伝うようになったいい「若い時から野外で働くのが好きで、土曜日も父と働いてガーデニングを学ぶうちに職業になった」と話す。現在は、パサデナ、アーケディア、モンロビアの各地域に顧客を持つ。連盟については、人材不足など問題を直視し「会員と社会のためになることをやりたい」とし、来年の創立60周年記念については「南加庭園業連盟の財団を創設し、奨学金制度を設けて若者を支援するのもいい」と話した。【永田潤、写真も】

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