外国人旅行客の訪日促進事業「ビジット・ジャパン」に力を注ぐ日本政府観光局(JNTO)は8、9の両日、ロングビーチ・コンベンションセンターで催された米国最大の旅行博「ロサンゼルス・トラベル・アドベンチャーショー」に参加した。日系の民間業者と連携してブースを出し、日本観光の魅力を紹介した。
旅行博は両日とも大勢の人出で賑わい、全米の州やリゾート地、世界各国の観光局がブースを出した。JNTOは日系の旅行会社やホテル、航空会社、地方自治体など20機関と手を組んだ。訪日旅行の商品や情報の提供に力を入れたり、各地の観光局は地元の名所など最新の観光情報の紹介に努めた。
岐阜県高山市役所海外戦略室の田中明さんは、飛騨高山の魅力を「東京や大阪など都会にはない、古き良き時代が残る田舎で、地元の人々が温かくもてなす」と力説。同市に宿泊する外国人観光客は年間21万人を数えるが、その約6割がアジア諸国からのため、今回初めて北米でのプロモーションを行ったという。同市周辺の名所で世界遺産の白川郷、五箇山や兼六園、上高地、奥飛騨温泉郷なども合わせて紹介し「興味を持って説明を聞いてくれた。高山の良さを分かってもらえたと思う。日本の文化に関心を持つ人が多いことが分かってよかった」と述べ、手応えを掴んだ様子だった。
日本について説明を受けた参加者は「人々が優しく、安全と聞いて行きたくなった」「四季があると知り、春に神社仏閣巡りや富士山などの美しい景色を見てみたい」「交通機関が発達していて移動が便利なのがいい。新幹線にも乗ってみたい」などと話した。一方で、言葉の問題や、物価の高さを心配する声も多く聞かれた。日本は、クレジットカードを扱わない店や、外国のキャッシュカードで現金が下ろせないATMも依然多い。また、米国に比べ無料Wi―Fiが未発達の不便もあり、2020年の東京五輪を控え世界から注目される中で観光立国を目指すには、諸問題の解決が必要とされる。【永田潤、写真も】