日本の名前について。日本は名字の数が非常に多い国でその多さは世界的にも一国家として実質トップである。
いい悪いではないが、日本に比べると韓国、中国の姓の数は大分少ない。韓国の姓の数は286といわれる。この中で金、李、朴、崔、鄭の五つで全体の約5割を占めると聞く。
中国の場合は数は全部で約2000、このうち李、張、王、陳、劉の五つでやはり全体の約5割を占めるという。
これに対し日本の姓の数は全部で幾つあるか正確には不明だが辞典研究などの定説で約20万。これは韓国の700倍、中国の100倍という多さになる。これは昔から日本社会の情報量が多かったこと、情報が自由に流通する社会があったことを物語るようだ。
名字の数で米国は日本の5倍位と多く日本は米国に次いで世界第2位となっている。だが米国の場合は一国の姓という訳ではなく、世界二百数十の国や地域の諸民族が出身国の性を持ち込んで移民し構成している人工的な他民族混合国家であり、人種的にも文化的にも一国家のものとは言えない。対して日本は一国家で抜群の多さといえる。
日本の名は多い順に佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺がトップ5と言われる。続いて伊藤、山本、中村、小林、斉藤がトップ10。さらに加藤、吉田、山田、佐々木、山口と続く。
日本にはまた変わった名字も実に多い。篠崎晃雄著の難読奇姓辞典によれば現存する珍名、奇名が多数出ている。申し訳ないのもあるが一部紹介する。
一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、女、不、紅白、海外、豆腐、芋、先生、父母、無学、無名、下駄、原子、爆弾、盗品、留置、春夏秋冬、胃袋、股、腰、猿股、生理、煙草、素麺、番茶、冷飯、立喰、酒場、家出、汗、禿、老後、骨皮、我慢、狼、男心、女郎、十八女、年増、新妻、白肌、愛人、浮名、達磨、釈迦如来、仁王、冥土、生首、悪霊、鼻毛、毛穴、毛所、珍品、一物、亀頭、金玉、助平、色魔。
読み方は字で想像するとおりでないものがあるが、多くが現在も実存している由。最後の方の幾つかの名前の家に娘を嫁に送り出す親の気持ちはいかばかりか。【半田俊夫】