2年前の日本縦断中に広島で出会った米国人が、同師が歩くのを偶然、サンバナディノで見つけ思わぬ再会を果たした。ABCテレビ局がそのことを知り、パーム・スプリングで取材を受けた。アリゾナのデイリー・サン紙も大きく取り上げ、1面を飾った。オクラホマ州ではCNNの取材が予定されているなど、米メディアの関心は高い。
現在は、アリゾナ州フラグスタッフを北上して歩み続けている。これまで歩行した距離は約680マイル(4月18日時点)。そこからホルブルークの町まで進んだ後いったん、ロサンゼルスに戻るのは、イースター礼拝をガーデナのゴスペル・ベンチャー教会で奉仕するため。その後、一時日本へ戻り、先約の講演活動をこなし、旅の途中経過を報告して旅費の援助を求める。5月2日にホルブルークに戻り、オクラホマ、ミズーリを抜けて、シカゴに到着の予定。ホルブルークからシカゴまでの歩行距離は1650マイル、8月下旬を予定している。冬場を迎えるため前半の徒歩横断はシカゴで終了する。来年3月にシカゴに戻り、再び歩き出す。
道行く人たちは、「なぜ、十字架を担いでアメリカ大陸を横断するのか」と尋ねる。同師は「この十字架はイエスの罪の赦しのシンボルだ。1人でも多くの人がイエスを信じてもらいたい」と答えている。「アメリカの人に刺激を与えればいい」と希望するものの、人々に訴えるのではないという。
人々とのさまざまな出会いは「『(自分の)感性』と『(他の人の)感性』が、互いにスパークする」と感じており、出会いを大切にしている。一緒に写真を撮ったり、泣きながら「祈って下さい」と頼まれたり、フリーウエーでトラックを路肩に止めてサンドイッチとバナナをくれたり、町では車を降りてコーヒー代などと、金銭の提供もあり「善意を感じる。受け取るのも大切」と、快く申し出に応じる。励まされながらの旅は「これからも何が起こるか分からない」と、新たな出会いを楽しみにしている。
ゴスペル・ベンチャー教会の前原利夫牧師は「十字架を担いだ西海岸から東海岸までの型破りの徒歩横断の話は、聞いたことがない。静かな声援を送りたい」と話している。