サンタモニカで、ホーランド師(中央)を囲む支援者
サンタモニカで、ホーランド師(中央)を囲む支援者
 型破りの牧師として知られる大阪市出身で同市在住のアーサー・ホーランドさんは2年前、沖縄から北海道の宗谷岬まで十字架を担いで日本を縦断、北海道のローカルニュースに取り上げられた。今年、63歳を迎え「父の生まれたアメリカ大陸を十字架を担いで徒歩で横断する」と一大決心した。
トラックドライバーの応援に手を振って答えるアーサー・ホーランド師
トラックドライバーの応援に手を振って答えるアーサー・ホーランド師
 3月10日、ハワイを出発、オアフ島を一巡、140マイル、7日間歩き通した。米国本土は3月17日、40人のサポーターが見守る中、サンタモニカ・ピアから第一歩を踏み出した。シカゴ経由で最終地点のニューヨーク州ロングビーチを目指す。およそ70ポンドもする十字架を担いで、一日20マイルのペースで歩く3000マイルにおよぶ長旅だ。
 2年前の日本縦断中に広島で出会った米国人が、同師が歩くのを偶然、サンバナディノで見つけ思わぬ再会を果たした。ABCテレビ局がそのことを知り、パーム・スプリングで取材を受けた。アリゾナのデイリー・サン紙も大きく取り上げ、1面を飾った。オクラホマ州ではCNNの取材が予定されているなど、米メディアの関心は高い。
 現在は、アリゾナ州フラグスタッフを北上して歩み続けている。これまで歩行した距離は約680マイル(4月18日時点)。そこからホルブルークの町まで進んだ後いったん、ロサンゼルスに戻るのは、イースター礼拝をガーデナのゴスペル・ベンチャー教会で奉仕するため。その後、一時日本へ戻り、先約の講演活動をこなし、旅の途中経過を報告して旅費の援助を求める。5月2日にホルブルークに戻り、オクラホマ、ミズーリを抜けて、シカゴに到着の予定。ホルブルークからシカゴまでの歩行距離は1650マイル、8月下旬を予定している。冬場を迎えるため前半の徒歩横断はシカゴで終了する。来年3月にシカゴに戻り、再び歩き出す。
 道行く人たちは、「なぜ、十字架を担いでアメリカ大陸を横断するのか」と尋ねる。同師は「この十字架はイエスの罪の赦しのシンボルだ。1人でも多くの人がイエスを信じてもらいたい」と答えている。「アメリカの人に刺激を与えればいい」と希望するものの、人々に訴えるのではないという。
フリーウエーでトラックの運転手(左)と出会った十字架を担いでアメリカ大陸を横断するホーランド師
フリーウエーでトラックの運転手(左)と出会った十字架を担いでアメリカ大陸を横断するホーランド師
「十字架を背負って歩く僕の姿を見て、自分なりの感性で考えればいい」とし、「語らずして、語る」と表現し、ただひらすら黙々と歩む。
 人々とのさまざまな出会いは「『(自分の)感性』と『(他の人の)感性』が、互いにスパークする」と感じており、出会いを大切にしている。一緒に写真を撮ったり、泣きながら「祈って下さい」と頼まれたり、フリーウエーでトラックを路肩に止めてサンドイッチとバナナをくれたり、町では車を降りてコーヒー代などと、金銭の提供もあり「善意を感じる。受け取るのも大切」と、快く申し出に応じる。励まされながらの旅は「これからも何が起こるか分からない」と、新たな出会いを楽しみにしている。
 ゴスペル・ベンチャー教会の前原利夫牧師は「十字架を担いだ西海岸から東海岸までの型破りの徒歩横断の話は、聞いたことがない。静かな声援を送りたい」と話している。
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