ロサンゼルス郡人事委員会(LACCHR)が発表した2013年度のロサンゼルス郡のヘイトクライム(憎悪犯罪)が、前年度より17%減少し、過去24年間でもっとも低いことが分かった。

 ヘイトクライムはおもに、人種、民族、宗教、身体的障害、性差、性的指向などに対する差別や偏見をもとに引き起こされる犯罪で、昨年13年は同郡では384件が報告された。前年12年から比べると78件も減少している。
 過去の調査同様、13年度も半数以上を占める82%がアフリカ系、同性愛者、ユダヤ教徒、ラテン系を標的としたものであったが、男性同性愛者に対する犯罪は前年度の119件から70件、ユダヤ教徒に対する犯罪は81件から42件に劇的に減少した。
 「6年前と比べると同郡のヘイトクライム件数はおよそ半分になった。若い世代の間に偏見や差別が少なくなっていることが大きく影響している」とLACCHRのロビン・トマ委員長は語る。しかし「依然、1日に平均して1件以上のヘイトクライムが報告されており、すべての分野で減少がみられた訳ではない」とつけ加えた。
 特に、高い犯罪率を記録している性同一性障害者を標的にしたものや、ギャングメンバーによるアフリカ系に対する犯罪には引き続き注意していくという。
 若者によるヘイトクライムは年々減少傾向にあり、18歳以下の犯罪率は06年には40%だったのに対し、昨年は過去10年間でもっとも少ない14%だった。さらに13年度はヘイトクライムによる殺人や殺人未遂といった凶悪事件が1件もなく、これは過去10年間で初めてのことである。また凶器をつかった暴行や暴力事件は38%減少した。
 女性同性愛者を標的にした犯罪は前年の11件から25件に、性同一性障害者は13件から19件、アジア太平洋系に対しては前年より3件増加の15件、プロテスタントは4件から8件、中東系は4件から5件にそれぞれ増加した。移民排斥を訴える中傷などは減少しておらず、前年と同じく15件報告されている。
 地域別にみると、もっともヘイトクライムが発生していたのはサンファナンドバレーだった。

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