構成吟「西郷南洲」を披露した吟士たち
大会は、無号、誠号、国号、練士、教士、範士の部と続き、構成吟「西郷南洲」、来賓、師範の部が行われた。構成吟では今年選ばれた16人が力いっぱいそれぞれの吟題を吟じた。
西郷南洲の「書懐」、徳富蘇峰の「京都東山」、広瀬武夫の「正気の歌」など、構成吟を聞いていた会員たちは時折目を閉じ、当時の情景を思い起こすかのように吟友たちから発せられる言葉一つひとつに一心に耳を傾けていた。
詩吟は声を発する時に腹式呼吸が求められる。この腹式呼吸が基本となるが、出来るようになるまでには人によっては数年かかることもあるという。
中には病後のリハビリとして詩吟を始めた人もおり、腹式呼吸だけでなく、歴史や哲学、人生観も学べることも詩吟の魅力のひとつなのだという。
詩吟を初めてまだ間もない吟士たちからは、「早く大きな声が出せるようになりたい」と前向きな声も多く聞かれ、これから吟道を極めていきたいという決意が感じられた。
西川会長は吟士一人ひとりを伸ばしていくためには、まず師範が生徒を教えやすい環境を整えていくことが重要であるとし、今後は師範会の活動を充実させ、みなで成長できる会にしていきたいと力を込めた。