街中には早くもクリスマスのデコレーションが華々しく飾られている。今年は、ノーベル物理学賞受賞の影響もあってか、電飾用の豆電球に発光ダイオードの使用が増えて例年以上に輝きを増し、「さあ、今年も残り少なくなったぞ」と、せき立てられている感じが強い。
 サンクスギビングデー翌日のブラック・フライデーを皮切りに、本格的なホリデー・ショッピングに向けたクリスマス商戦も幕開け。全米小売業連盟の予測では、今年の売り上げは昨年より4.1%上昇し、6169億ドルに達すると見ている。
 何億ドルといわれても庶民感覚ではピンとこないが、平均的アメリカ人一人当たりでみると804ドルの買い物をする計算だ。月々のペイメントに加えて不動産税の支払期限も迫るこの時期に800ドル超は大金。
 そこで、頼みの一つとして多くの人の頭に浮かぶのが高額賞金の州営ロット。カリフォルニア州でロットが発売されてから、はや30年。ジャックポットが当たる確率は1億7500万分の1という天文学的な数字にもかかわらず、売り上げは年々上昇し、今年は初めて50億ドルを超えた。売り上げの増加とともに賞金額も上昇を続けている。
 ところが、誰もがロット的中を願ってチケットを購入しているのだけれど、当たったことに気づかない人も多い。最近だけでも、ロサンゼルス郊外のドアルテで60万ドル、ノースハリウッドで25万ドルの的中券が換金されないまま。毎年、およそ3400万ドルの的中券が末換金で、ついに昨年には、未払い賞金額の累計が20億ドルに。当たった本人は気がついていないのだから、「知らぬがホトケ」で安穏としていられるのだろうが、なんとも、もったいない話だ。
 ジャックポットは、チケットを買わなければ絶対に当たらない。買っても、的中番号をチェックしないのなら、買う意味がない。初めからドーネーションをしたつもりなのか、買ったことさえ忘れる人もいる。これからもっと気忙しくなる歳末にかけて、「何ごとにも慌てないこと」が大切だろう。ロットを買ったなら的中番号を必ずチェックすることも忘れずに! ジャックポットが的中して、「804ドルなんて、屁のカッパ」と言ってみたい?【石原 嵩】

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