2014年のノーベル平和賞の授賞式、17歳で史上最年少の受賞となったパキスタン人のマララ・ユスフザイさんが話したスピーチの一部を紹介します。
 -親愛なる兄弟姉妹のみなさん。
 なぜ強いといわれる国々は、戦争を生み出す力があるのに、平和を生み出すことには弱いのでしょうか。なぜ、銃を与えることはとても簡単なのに、本を与えることはとても難しいのでしょうか。なぜ戦車をつくることはとても簡単で、学校を建てることはとても難しいのでしょうか。
 みなさん、私たちは動くべきです。待っていてはいけない。動くべきです。政治家や世界の指導者だけでなく、私たち全ての人が、貢献しなくてはなりません。私も、あなたたちも、私たちも。それが私たちの務めなのです。
 みなさん、これで終わりにしようと決めた最初の世代になりましょう。誰もいない教室も、可能性を無駄にされ失われた子供時代も。男の子や女の子が子供時代を工場で過ごすのも、もうこれで終わりにしましょう。女の子が幼いうちに強制的に結婚させられることも、戦争で子供の命が失われることも、子供が学校に通えないことも、これで終わりにしましょう。私たちで終わらせましょう。この「終わり」を始めましょう。今、ここから、ともに「終わり」を始めましょう-
 マララさんは11歳の時から女性教育の必要性や平和を訴える活動を続け、15歳の時にタリバンに銃撃されて意識不明となり、イギリスに搬送されて治療を受けて回復しました。その後も命を狙われながら、女子が教育を受ける権利を訴え続けたのです。戦争のない平和な国と時代に育った私たちは、彼女に学ぶたくさんのことがあると思います。銃撃や爆弾で相手の口をふさぎ、軍事力や核の保有で自分たちの権利を認めさせるという強国の手法を終わりにしなければいけません。
 「マララ」という言葉には、「悲しい」という意味があるそうですが、その名前に「幸せ」という意味を添えようとして名付けられたそうです。行動を起こせば、悲しみの中でも幸せが訪れることを知っていたのでしょう。【朝倉巨瑞】

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