JBA役員と来賓を交えた鏡開き。左端が三宅会長
JBA役員と来賓を交えた鏡開き。左端が三宅会長
 日系企業約500社が加盟するJBA(南カリフォルニア日系企業協会、三宅英夫会長)は、新年恒例の賀詞交歓会を16日、トーレンスのマリオットホテルで開き、親睦を深めた。堀之内秀久総領事、地元からは政財界、諸団体の代表ら来賓を招き、500人を超す参加者を前に、三宅会長が「地域社会との関係を強化し、日本のプレゼンスを高めたい」と意欲を示した。

 新年のあいさつに立った三宅会長は、JBAが昨年ジェトロと共同で行った「南カリフォルニア日系企業実態調査」で、5割以上の企業が「前年より売上高が増えた」という、グッドニュースを披露。当地の魅力である「市場の大きさ」「安定した物流拠点」「基盤となる日系社会の存在」が、「会員各社の業績へ、明るい兆しをもたらしている」と力説した。その一方で、トヨタ自動車のテキサス州への本社移転を「中長期的に当地で事業運営を行うことへの懸念や、直面する諸課題に商工会として、どのように対処すべきかを考える契機になった」と意見を述べた。JBAが商工会であることを強調し「その使命の原点である各会員企業の事業改善・強化に努めたい」と決意を新たにした。

「テッド・ルー下院議員(加州第33区選出)事務所から表彰を受ける三宅英夫会長(左)」
「テッド・ルー下院議員(加州第33区選出)事務所から表彰を受ける三宅英夫会長(左)」
 堀之内総領事が祝辞を述べ、自身は同交歓会に参加するのは初めてだといい「参加者が非常に多く、熱気を感じる」と圧倒された面持ちで話した。会員に向け「今年の目標を達成して、さらに高い目標まで飛び上がってもらいたい」とエールを送った。総領事は、日系企業の中で長年にわたり安定した業績を挙げる製造業をたたえる一方で最近、南カリフォルニアに出店したユニクロとドン・キホーテに注目し、日系のサービス業のさらなる進出に期待を寄せた。
 交歓会の前には、各日系企業とJBAが支援を受け、世話になる行政当局や統一学校区、地元諸団体の代表を招き、謝意を表するVIPレセプションを開き、約170人が参加した。祝辞では各来賓が、日系企業の雇用創出や地元経済の発展への寄与、奉仕活動による地域貢献など日系企業とJBAの活動を称賛した。また、JBAが招聘し、地元の教育者を日本視察に送るプログラム参加者が、訪日について報告を行った。一行は、新旧が融合する日本の文化に触れ、教育機関を訪問するなどし「JBAのおかげで、有意義な旅ができた」などと、感謝を伝えた。
 三宅会長は、JBAの55年にわたる活動について「皆が集い、協力して、助け合ってきた。これだけは、全世界に誇れるもの」と胸を張り、「今後も団結を強めながら日本の良さを伝えていきたい」と抱負を述べた。景気の動向については、輸出産業が多い日系企業にとって、円安の為替状況と好調の米経済を理由に挙げ「追い風が吹いている」と語った。【永田潤、写真も】
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