ロサンゼルスにあるシーダース・サイナイ病院は4日、同病院の患者4人が十二指腸内視鏡を使った検査で抗生物質に耐性をもつ細菌「スーパーバグ」に感染し、71人が細菌にさらされた可能性があると発表した。

 この「スーパーバグ」と呼ばれる細菌はカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)で、同病院によると、感染者は昨年8月から先月中旬までの間に、内視鏡を使った検査や治療を通して感染した可能性が高いという。感染の疑いがある患者には無料の検査キットを発送し、感染の有無を調べていく。
 病院側は、感染が確認された4人のうち1人は死亡したと発表しているが、死亡原因はCREが原因ではなく、持病によるものだとしている。
 使用されていた内視鏡はオリンパス社製で、すでに処分され、同病院ではさらに徹底した除菌洗浄方法を導入している。
 内視鏡を感染源とするスーパーバグ感染は先月、ウエストウッドにあるロナルド・レーガンUCLA医療センターでも発覚した。
 患者7人の感染が確認され、うち2人が死亡。179人が細菌にさらされた可能があるとされている。同センターでもオリンパス社製の内視鏡を使用。病院側は同社の指示通りに除菌洗浄をしていたというが、その複雑な構造から十分に殺菌できていなかった可能性があると指摘されている。
 同病院でもオリンパス社の内視鏡を使用していた。
 食品医薬品局(FDA)によると、2013年1月から14年12月までの間で、全米で細菌に汚染された内視鏡を使用したことが原因とみられる感染症は135件報告されている。

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