東京シティカップ
スカイ・キングダム優勝
早春のサンタアニタ競馬場を優駿が駆ける、東京シティカップ(第8レース、ダート1・5マイル)は、賞金総額10万ドルの重賞レース(GⅢ)に指定され、強豪馬がエントリーし盛り上がった。レースは、一昨年の同レースを制したスカイ・キングダムが独走で、優勝を飾り賞金6万ドルを獲得した。
競馬を通した国際交流は、多岐にわたる。日米両国から騎手が訪れレベルを高め合いまた、調教師、トラック整備員は情報・技術交換に努めている。こうした人的な交流のみならず、サンタアニタは、大井に競走馬を遠征させるなど、友好関係は深まるばかりだ。
マネジメントについても意見を交換し、プロモーションを充実させるなど、ファンサービスの向上につなげている。大井はサンタアニタの競馬観戦レストランをモデルにした「ダイアモンドターン」(レストランとバー)など施設の改善にも生かしている。さらに、サンタアニタのトレーナーと獣医の連携も参考にし、血液の検査器機を導入したという。
サンタアニタ競馬場のトム・ルット社長
サンタ・アニタパークが、東京シティカップを20年間、毎年開催することを誇りに思っている。オーイと交流を始めて互いに学ぶことが多く、意義のある提携である。そして、14年間も日本文化の紹介イベントを続けてもらい、われわれのレースファンを楽しませてくれていて、とてもありがたい。
オーイから毎年、代表者が来ていただき、とてもうれしく思うし、われわれが日本に行った時は手厚くもてなしてくれ、とても感謝している。昨年訪れたオーイのナイトレースは、とてもエキサイティングで素晴らしかった。毎年夏に「サンタアニタ・ウイーク」と銘打って、さまざまなイベントを催し、そのメインイベントとして「サンタアニタ・トロフィー」を開いてくれ、とても光栄である。提携はもちろん、これからもずっと続けて友好をさらに深めていきたい。
大井競馬場の塚田修・特別区競馬組合副管理者
提携を始めてから、学んだことを多く取入れた。今は吸収したことを、どのように日本式にアジャストするかを考える時になった。サンタアニタは、高額の馬券購入者の
トム社長と経営について話し合うと、ファンの競馬離れの話題が出てくる。ウエブサイトを利用して、若い人をどのように呼び込むかで、意見が一致した。同じ悩みを持っていて、いいことだけでなく悩みを話すことができる、いい関係になったことがうれしい。トム社長は、大井の経営方針についても耳を傾けてくれ、新しい投票方式(出走馬の詳細データを提供し、馬券の購入額に対してポイントを与える)を採用することを話すと、非常に興味を持ってくれ、うれしかった。
20年前は「交流して下さい」と、こちらから頼んだ。サンタアニタは、年々規模が大きくなる「ジャパン・ファミリーデー」を認めてくれて、「片思い」が、もしかしたら「両思い」になったかもしれない。昨年は、日本に馬を送ってくれ、本当にサンタアニタには感謝している。提携はずっと続けていきたい。
大井競馬場の岸幸弘・競馬事務局投票課長
サンタアニタ競馬場を今回初めて訪れて、「素晴らしい」という言葉で言い尽くせないほど美しくて、うらやましい。パドックがすぐそばにあって、大井も将来、お客さんと競走馬が触れ合えるような施設を、ここを参考にしてできればと思う。
サンタアニタの経営は「お客さんあっての」という考え方で、何が喜ばれるかエンタテインメントを考えながらイベントを組んでいるのがよく分かる。今年の東京シティカップは、とても沸いて興奮した。大井と同じ光景が見られ、競馬ファンはどこでも同じだと感じた。
堀之内秀久総領事
初めて競馬場に来て、本当にきれいで、開放的な雰囲気でびっくりした。将来は、競馬を通した交流で、日米両国の関係が力強く結びついてほしい。日本の馬がアメリカを走り、アメリカの馬が日本を走れば、交流はさらに深まるだろう。ジャパン・ファミリーデーは、家族連れが多く、ラーメンや太鼓演奏など日本文化を紹介してもらいうれしい。
日本文化と観光情報を紹介
趣向凝らした「体験型」が人気
今年で14回目を迎え、すっかり板に着いた「ジャパン・ファミリーデー」は、日本の各種伝統文化や食文化、
イベントは、昨年好評を得たことから今年も内馬場の広いスペースを有効に使って催された。茶道、華道、書道、折紙、空手、相撲、剣道、民謡、琉球舞踊、津軽三味線、獅子舞、太鼓など、多くの日本の伝統芸能、文化が紹介された。
見るだけではなく、参加者は、折り紙を折ったり、毛筆で自分の名前を書いたり、民謡を唄ったり、土俵に上がって巨漢力士と対戦したりする趣向を凝らした「体験型」が人気を呼んだ。また、お面が並び、ヨーヨー釣り、縁日のような雰囲気を醸し出した。日本食ではすし、お好み焼き、たこ焼き、お茶が売られ、また日米の有名店11店が出店した「ラーメン横丁」も人気を博した。