初煎会で点前を披露する清水翠元さん(中央左)と小林翠政さん(中央右)
茶席は2席に分けて行われた。掛軸は大徳寺派明星寺住職、高橋悦道作「清流無間断」。清らかな水の流れは絶えるなく流れ行くことを意味し、めでたい時に掛けられる。盛物は「難を転じて福となす」南天と、祝いの席に欠かせない菊で「大寿佳色」がいけられた。
英語の解説とともに茶会は行われ、飲み方、礼儀作法に至るまで丁寧に説明された。振る舞われた煎茶を口の中に含み、ワインを味わうように香りを楽しむ。米国人招待客にも分かりやすい表現で説明し、もてなしの心を解説した。
煎茶道でもっとも重要になるのが湯の温度。茶葉は深い味わいが残る玉露を使用。煎茶が注がれる時、最後のしずくにもっとも深い香りと味わいが残る。
参加者は湯がしたたる音に耳を澄ませながら、出来上がった煎茶を茶菓子とともに味わい、煎茶道の世界を心行くまで堪能した。
2013年に同支部は40周年を迎え、日本から小笠原秀道家元ら一行が訪米し、盛大に祝福した。
茶会の後には、新年親睦会が行われた。山口会長は、鎌倉時代以来育まれてきた煎茶道を、近代に見合った形態に合わせて継承することの重要性を説いた。「煎茶道を通して、心の平和と安らぎを育み、当地で日本の伝統文化を広め、日米交流にいかしていきたい」と力を込めた。【吉田純子、写真も】
香り豊かな煎茶の味わいを堪能する参加者