3月29日、ロサンゼルス郊外サンマリノにあるハンティントンガーデンで、清風庵といけばなハウスで恒例の体験茶会が催された。このハンティントンガーデン主催の茶会は、2012年の清風庵移築以来、体験茶会として年に2回定期的に催され、毎回、裏千家淡交会ロサンゼルス協会が協力している。
さわやかな初夏を思わせるようなこの日、午後2時の第一席から第三席まで、初めて茶道を体験するアメリカ人を主に、50人を超える参加者があった。
参加者は解説ガイドの案内で隣接する中国庭園を見学した後、清風庵に到着。始めに茶室の内外を見学し、床の間や天井など茶室独特の建築や水屋の設え、茶の湯の精神である和敬清寂について、また茶室へ導く露地についてなどの説明を受けた。そして腰かけ待合から露地を抜けて蹲(つくばい)へ進み、協会会員が蹲を使う様子や小さな躙口(にじりぐち)から茶室へ入るデモンストレーションを興味深く見学した。また夏用と冬用の茶道具を例に、季節感を大切にする茶の湯の精神なども紹介され、皆、熱心に聞き入っていた。
その後、いけばなハウスで御園棚の点前を真剣な面持ちで静かに観察し、呈茶体験も行った。年少の児童も含め参加者は協会会員の茶碗の持ち方や飲み方の説明に聞き入り、慣れない手つきで茶碗を扱いながら初めての抹茶と和菓子を楽しんだ。参加者から、「釜には(煮出すように)お茶が入っているのか」「ワインは食事に合わせて赤、白あるいは甘口、辛口のように選ぶが、お茶はどうか」などの活発な質問に協会会員の応答、説明があった。呈茶終了後には、笑顔でお礼の言葉を協会会員にかけ、参加者それぞれが日本文化に触れる春の一日を満喫した様子だった。
また、主催者であるハンティントンガーデンの茶会担当者も、この茶会を心待ちにしていたと語り、裏千家淡交会ロサンゼルス協会に対し、感謝の言葉が贈られた。