日系フェデレーションのライジングスターズ12期卒業生
日系フェデレーションのライジングスターズ12期卒業生

あいさつに立つツダ会長
あいさつに立つツダ会長

 日系フェデレーションの高校生を対象とした教育・育成プログラム「ライジングスターズ(RS)」の卒業式が3月28日、日米文化会館で催された。5カ月間におよぶ集中プログラムを終了した12期生の18人は、日系社会の代表としての自覚を胸に、自信と責任感に満ちた表情で「学舎(まなびや)」を巣立っていった。

 RSは、コミュニティーの発展に不可欠な次世代を担う将来のリーダーを育成する目的で2003年に始動。各分野で活躍する指導者から、文化的価値、チームワーク、ネットワーキング、プレゼンテーション力、積極性、財務管理力など、社会のリーダーになるべき要素を5カ月間にわたり学ぶもので、現在までに約230人の卒業生を社会に送り出している。
 28日に行われた卒業式では、ケルシー・ナカソネさんとジャスティン・ニノミヤさんが卒業生を代表し感謝の言葉を述べた。ナカソネさんは、「プログラムで学んだことは一生もの」と、パブリックスピーキング力や積極性など高校生活でも大きく役立っていると話し、また、今まで日系社会と関わりを持っていなかったニノミヤさんは、「日系人としての自分を発見できた」とRSに感謝した。

基調演説をするオクシデンタルカレッジ入学審査部のヤマサキ副部長
基調演説をするオクシデンタルカレッジ入学審査部のヤマサキ副部長
 特別講演者としてオクシデンタルカレッジ入学審査部のエリカ・ヤマサキ副部長が「どこへ巣立っても、自身を育ててくれた場所を忘れないで」と学生に言葉を送り、学んだことを生かし、「将来はコミュニティーの目となり耳となり、心となってほしい」と語りかけた。
 近年は、日本語を話す学生の参加も増えてきた。日本生まれのタイ・ウィッシングさんは、2年前に参加した兄から同プログラムの素晴らしさを聞き参加。資金集めのためのミニチュアゴルフ大会の準備では、企業や団体を回り自ら寄付を募るなど、「今までのシャイな自分だったらできなかった」と振り返った。また、「コミュニティーの中での自分の役割」について一番考えさせられたといい、その一歩として、「貴重な機会を与えてくれたRSに恩返しがしたい」と、今後は卒業生のためのAlumniプログラムに参加し、来年以降の学生の手伝いをするという。
 同プログラムの創設者の1人で、現在会長を務めるラッセル・ツダさんは、13年間にわたり学生の成長を見てきた。卒業生の多くがそれぞれの分野でリーダーとして活躍する姿に喜びを感じていると同時に、世代交代の時期にきている点にも触れた。「時代の流れに合わせ、毎年プログラムの内容を調整しているが、参加学生の年齢により近い若い世代に運営を担ってもらいたい」と話した。
 来年の運営資金を集める目的で催されたミニチュアゴルフトーナメントでは、目標額を上回る総額2万1800ドルが集まった。会場ではまた、RS卒業生対象の奨学金受賞者の発表も行われ、今年は10期生のカラ・タナカさんと、9期生のクリスチャン・ミヤマエさんの二人が選ばれた。
 同プログラムは、将来のリーダーを育成する目的で高校生を対象に毎年10月から3月まで小東京で行われている。詳細はウェブサイトで―
 http://www.nikkeifederation.org/risingstars/
【中村良子、写真も】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *