こんなタイトルの番組があったような気がするが、そんな高尚なことではない。
 なかなか新聞を読めないので、山になっている。5月○日とあったので、先々週かと思ったら、昨年だった。たまりすぎたので、無作為にとったら、今年3月の朝日新聞だった。戦後生まれには、全くなじみのない言葉「八紘一宇」が目に入った。参院予算委員会で三原じゅん子議員(50歳)が使ったものだった。
 ツッパリイメージのタレントだった三原議員の、どうして使ったかの説明は「人類は皆兄弟としておたがいに手をたずさえていこう」という和の精神を伝えたかった、のだという。
 この言葉は、日本書紀の「八紘をおおいて宇(いえ)に為(せ)んこと、またよからずや」(地の果てまで一つの家とすることはよいことではないか)との意に由来。大正時代に国家主義的宗教団体の創設者が造語として使い、1940年に第二次近衛文麿内閣が「八紘を一宇とする」精神にもとづく大東亜の新秩序を説き、戦争スローガンの一つとしてもつかわれるようになる。そういう経緯を持つ言葉をわざわざつかう意図はどこにあったのか。
 ちょっと気になった記事は、遺伝的疾患の犬が日本に一番多いという。この種類がかわいい、好まれるとなると、その種を作るために交配される。交配された種に遺伝的疾患があるのを見過ごすと、疾患が受け継がれる。人に好まれる形にしたために、呼吸器系が弱い種になるなど、なんとも気の毒に思える。
 飼い主の都合で飼えなくなると捨てられる犬も多いと聞く。好まれる種に生まれても、病気といわれる。愛玩動物だからといって、大切に扱われるとは限らない哀れを思う。
 新聞は、最新情報を得るためにあると思って、翌日に繰り越さないようにと読んでいた。それができなくなって遅れ、遅れになってからは、余裕で読めるようになった。事件や事故、特に調査が長引くなど、長期にわたる事柄は展開の経緯がよく分かるし、連続で読めるので結果に至る経過が分かりやすい。緊迫感に欠けるのは否めないが、一つの読み方ではある。しかし、なまけものの方便であることには間違いない。【大石克子】

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