この2、3年、里帰り旅を終えて日本からLAに発つ時につい「アー、戻るとまたあれか」と思うようになった。あれとはLA生活で日々の車の運転のこと。以前は無かったから一つは年のせい、もう一つは年々渋滞が酷くなる交通状況が原因か。何処にも運転の生活。酷い渋滞も我慢しかない。混雑が続く運転中、ラジオを聞く以外何も出来ない。日本の電車のように読書やスマホでメールや何か見るなど出来ず、眠ることも出来ない。眠くはなる。だが運転中は一瞬の油断も禁物。ちょっとの不注意が事故につながる。難儀なことですわい。
 渋滞だけでなく昔に比べ譲らないせこい運転も増えた。互いのスペースが狭くなり心のスペースも狭くなるのか。駐車も何処も難しく料金も上がるばかり。
 その点、日本の都会はJRや私鉄の電車、地下鉄、バスなど網の目のごとく縦横に走り何処でも行けて便利。歩くので健康にも良い。これは日本が築いてきたインフラ資産であり大したものだ。僕は欧州や中南米、アジアに旅行し各地で電車にも乗ったが、日本ほど公共交通機関が発達した国は見たことがない。日本人が国内で当り前と思っていることが実は世界ですごい例は多いが、公共交通の便利さもその一つだろう。
 話を戻すと、LAの事情は今後も抜本改善はなく悪化が続くと見込まれる。何しろ人口増加が続く米国、特に南加だ。日本は少子高齢化で人口減少期に入ったが、米国は押し寄せる移民受け入れで人口は増え続ける。永遠に争い多き人類がひしめくこの地球で、米国は各地の人々にとってまだまだ最後の頼みの地なのだ。しかし人口密度薄く広大な南加では電車線を増設してもとても日本のようにならない。バスは渋滞を増やすだけ。渋滞は人々の時間と精力とガスを無駄に奪い、生活の質に響いている。
 僕が考える案の一つは全FWYを2階建てにすること。追加は上でも地下でも良い。技術的に可能だが加州財政の現状では難しい。個人的な起死回生策はないが、自動運転車の開発には期待している。渋滞解消にはならずとも運転は楽ちんになる。だが早くしてくれないとこっちは間に合わない。【半田俊夫】

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