同協会名誉顧問に就任した千葉明・在ロサンゼルス日本総領事が、祝辞を贈った。今日庵参事の松本宗静師をはじめ教授陣ら関係者の活動を「当地で長年にわたり伝統の茶道の指導を通じ、親日家を育成している」と、たたえた。「国際交流や文化を通じた世界平和への貢献は、海外で活躍する皆さんの尽力なくして語ることはできない。文化外交の上でたいへん大きな一翼を担っていて感謝したい」と、敬意を表した。
点初めは、亭主の小林宗由さん、半東の三宅宗和さん、外半東の長富宗伯さん、解説の山下宗裕さんが、それぞれ務めた。床の間には第16代坐忘斎家元筆「老松千年色」が掛けられ、初春らしく、「青竹二重切」の花入れには「結び柳」と梅に椿を生けた。茶道具は、薄器が駒沢徹造「老松茶器」、茶杓は立花大亀和尚作「佳日」、茶碗が11代坂高麗左衛門造「萩 鵬雲斎大宗匠箱」を用い、菓子はちからもち製「初春」を振る舞った。
亭主の三宅さんは、前日に師匠に稽古をつけてもらい備えた。だが、やはり「緊張した」といい「いつも稽古している通りにしよう」と、心を落ちつかせた。客の質問にもしっかりと答え、松本師からは「おいしいお茶をいただきました。ありがとう」と誉められ「うれしかった。ホッとした」と、安堵の表情で語った。
祝善後は、日本舞踊が披露され、式に花を添えた。「大和楽USA」の堅田喜巳扇社中の演奏と、「四季の会」の長唄に乗り、坂東拡三津弥が「三番叟」を演じた。
今年で65回目の初点式という松本師が謝辞を述べ「素晴らしい初点式を迎えることができた。ありがとう。長生き(今年97歳)してよ
上杉幹事長によると、同協会は各イベントで披露する点前では、呈茶のみならず、精神文化を伝えたいという。今年も西大和学園、あさひ学園、LAダウンタウンのサイアーク小学校を訪問し「子どもたちに思いやりの心や相手に敬意を払う心を、茶道を通して身に付けてもらいたい」と希望。客層は、地域やイベントにより異なるため、幹事長は「年齢や人種に合わせて、理解しやすい方法を考えながら茶道を伝えたい」と抱負を語った。「『和敬静寂』の心は、言葉の壁を超え、万国に通じる」と力を込め、「互いに仲良くし、心を清め、何事が起きても慌てない心を共有できればいい」と語った。【永田潤、写真も】