イスラム・コミュニティーへの支援を呼び掛けるジョージ・タケイ(左)と式典に出席したLA市のガーセッティー市長。積み上げられた段ボールの中には31万人分の署名が入っている

 トランプ大統領がイスラム圏7カ国からの米国への入国を制限する大統領令に署名したことを受け、これに反対する日系人俳優で活動家のジョージ・タケイが13日、ロサンゼルス市庁舎でイスラム系の人々への支援を呼び掛けた。【吉田純子。写真も】

LA市のエリック・ガーセッティー市長(右端)から表彰状を手渡されたジョージ・タケイ(左端)
 「トランプ大統領は1月27日にイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンから米国への入国を最低90日間禁止する大統領令に署名。大統領令が発令されてからタケイはイスラム系コミュニティーの人々をサポートするため署名運動を開始した。この日までにおよそ31万人の署名を集めた。
 市庁舎で行われた式典にはLA市のエリック・ガーセッティー市長のほかハリウッド俳優で活動家でもあるマイク・ファレルさんも出席。タケイはこれまで集めた31万人分の署名をムスリム公共問題審議会(MPAC)の代表者に渡した。
 「私が5歳の時、アメリカ政府は私たち家族を日系人強制収容所に連行しました。米国人であるにも関わらず、彼らは私たちに銃を突きつけたのです」
タケイの活動に賛同し式典に出席したハリウッド俳優で活動家でもあるマイク・ファレル
 タケイは1941年に日本がハワイの真珠湾を攻撃し太平洋戦争が始まった時、当時のフランクリン・ルーズベルト大統領の命令で日系人が強制収容所に連行されたことに言及。アーカンソー州ローワー強制収容所に収容された当時のことを振り返った。
 米国人であるにもかかわらず、日本人を先祖にもち、日本人と同じ顔をしているというだけで何の罪もない日系人およそ12万人が収容所での生活を余儀なくされたのです」
 柵に覆われ、マシンガンを持った警備隊が監視する中、収容所で過ごした幼少期をタケイは今も忘れないという。「同じ過ちを決して繰り返してはなりません」とタケイは力を込め、大統領令に抗議した。
 ガーセッティー市長は「私の祖父はメキシコから国境を越え米国にやってきた移民です。祖父がもし国境を越えてなかったら、私は今ここにはいないでしょう」。と語り、タケイの行動を称賛した。

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *