先日のネットニュースでの話。英国の男性が1週間ほど胃痛、吐き気、熱が続いたため病院で検査。原因がはっきりしないが、この男性が最近寿司を食べたと言ったため、胃カメラで調べると寄生虫(アニサキス)が見つかったという。除去したらとたんに症状が快方に向かったとか。
 寄生虫が多く棲むのはサバ、サケ、イワシ、タラ、マス、スルメイカなどなど。青魚に多いようだ。魚が生きている間は内蔵に棲み、死んだら身のほうに移動するとか。
 予防法としては内蔵をきれいに除き、加熱が一番。だが、刺し身も食べたい。このような時は摂氏マイナス20度(華氏マイナス4度)以下で24時間以上、中心部まで凍結するとアニサキスは死滅する。
 寿司のような通常の料理で使用するくらいの醤油や酢、わさびぐらいでは死なない。しめサバを作るなら、冷凍さばを使うのがいい。釣りたてのサバなら塩をしたあと、やはり丸1日凍らせたらいいとしている。
 最近アメリカでも寿司(和食)が定着してきたせいで職人さんの人手不足が懸念され、訓練されていない料理人も増えてきている。食材としては、アメリカ人好みでサーモンの刺し身などを出すところが多い。
 オーストラリアなどが出荷しているサーモンは、厳重に管理がなされている(養殖といっていいのか)ので寄生虫がついていないらしい。オセアニアで検疫検査が厳しいのは外部からの寄生虫や雑菌を寄せ付けなくするため。その他の地域で獲れた天然サーモンは、「天然」の言葉のせいか上等と捉えられているようだが、寄生虫などの点でいえば首をかしげる。
 ずいぶん前にはサーモンは刺し身代わりにスモークされたものがサーブされてた。お値段もけっこうしたもんだ。
 昔は「冷凍された食材を刺し身なんて」とか言う人もいたが、今どきの冷凍技術は素晴らしい。釣りたてを処理して急速冷凍、うまく解凍すればほどよく熟成もされ美味である。
 なにはともあれ、ちゃんとした店で材料のことをよく理解している職人さんにまかせれば、大丈夫かな。【徳永憲治】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *