河野知事によると、両者を取り持ったのは、日本勤務時代に地方創生事業を担当し、JETRO宮崎事務所を立ち上げた際に知り合ったJETROロサンゼルス事務所所長の西本敬一氏だとし「キーパーソンである」と強調。県はさらなる海外展開する上で、西本氏のロサンゼルス転任に合わせ協力を求め「宮崎県グローバル戦略アドバイザー」に任命。海外との経済交流を加速させる施策への助言や各種情報提供、県産品のPRなどを通して、県経済のグローバル化を図っている。
調印式であいさつに立った知事は、県が推進するグローバル戦略の中で「海外にさまざまな形で打って出たいという時に、このような形で、タイミングを得た。アメリカの日系社会で影響力の大きい日米文化会館との協定は、たいへんありがたい」と喜んだ。「協定締結により、アメリカへの県産品輸出を加速させるとともに、観光、文化の多面的な交流ができる。将来的に連携が強まるにつれ、会館とわれわれの県の繁栄、ひいては日米関係の強化につながる」と期待を込めた。
2月に知事一行が会館を訪問して以来、県庁からの訪米団を待ち兼ねていたというイトウ館長は「特別なパートナーシップを宮崎県と結ぶことができ、とてもうれしい。提携の永続を願いたい」と述べた。提携について「われわれにとって完璧な機会であると思った。目標に向け、アイデアを分ち合い、人的交流も進めたい。コラボレートには、われわれのカギとなる要素を含ん
館長は、会館主催の年次ガラディナーのメニューで「パティナ・レストランが調理したミヤザキ・ビーフをすでに提供し、われわれの大切なゲストにとてもおいしい、と言ってもらい好評だった」と胸を張った。また、宮崎が日本屈指の茶所で、日本初のオーガニック茶畑を持ったことを「(健康指向の)アメリカ人に関心の高いことで、受け入れられるだろう」と評価した。
宮崎県の海外との連携は、企業や大学のみで、文化団体は同館が初という。米市場に切り込む上で、知事は「文化の厚みのある南カリフォルニアとロサンゼルスそして、日本文化を発信する日米文化会館の手伝いができ、その手伝いを通じて宮崎をアメリカの皆さんに知ってもらいたい」と希望。宮崎牛は、日本からの和牛の対米輸出の約4割を占めるといい「宮崎牛に続き、お茶や焼酎(出荷額2年連続日本一)などのプロモーションを行い、持続的に連携を図りたい」と抱負を述べた。
調印を見守った西本氏は、協定締結について「日本の自治体と米国日系人社会の連携の契機となれば、とてもうれしい」と述べ、「他の自治体との連携がさらに促進され、日本の地方創生につながるとともに、米国日系人社会の活性化につながればいい」と願った。
文化会館は、調印式を終えた同日の午後には早速、宮崎の緑茶の紹介イベントを催した。県から来米した井ケ田製茶、太地園、宮﨑茶房の3社が参加し、おいしい飲み方を紹介して振る舞い、釜炒り茶の製法などを実演した。【永田潤、写真も】