HomeAidは、常務取締役のスコット・ラーソンさんによると、地元の住宅建設会社数社が協力し20年前に設立されたという。運営は、公的資金の融資・援助と個人、企業からの献金で成り立っている。
HomeAidが把握している同郡のホームレスの数は、約2500人の単身者と、131家族。単身者はテント内などで路上生活し、家族は幼い子供もおり車中で寝泊まりする傾向があるという。その人に合った長短期的または永続的な住居探しを手伝い、緊急シェルターから既存のアパート(4戸から60戸など規模はさまざま)や、一軒家を探したり、または中古アパートを改修したり、倉庫を改造、新築も行う。30日、60日、90日、長い人は約1年住むという。
チャン・ファミリー財団は、管理・運営するマイケル・コーチの兄カール・チャンさんによると、1999年の設立以来、社会的弱者救済に加え、各スポーツ団体と地元アジア系コミュニティーの支援など、さまざまな慈善事業を展開しており「テニスを通しファンのみんなの協力のおかげで、困った人々を助けることができる」と謝意を表する。同イベントは今年で7回目といい、4年連続参加の錦織選手について「ケイのおかげで、日本人ファンが多く参加してくれ、ホームレスへの住居提供の必要性を知ってもらいうれしい」と喜んだ。
錦織選手は、スポンサーとの朝食会とクリニックをこなして臨んだ記者会見で、待ち望まれる4大大会初優勝について「ハードコートが得意で、夏に強いので全米オープンでベストを尽したい」と抱負を述べた。
ダブルスのエキシビションでは、少年少女と大人を相手に、公式戦で見せる厳しい表情とは打って変わり、終始笑顔を見せリラックスした様子で、ファンとのふれ合いを楽しんだ。サービス精神旺盛なチャン・コーチとともに、利き手ではない左手で打ったり、股の間から打ち返したり、10回以上の連続ボレーの妙技を披露。時には飛び上がって強烈なスマッシュを放つ「エア・ケイ」を決め、観衆約800人を唸らせた。
セットの合間には、ライブオークションが行われ、錦織選手のサイン入りの愛用品が競りに掛けられた。前週まで履いたテニスシューズやスエット、そしてイベントで着用していたウェアは「ケイの汗と臭いと、DNAが染みついた逸品」と紹介されると、照れながら脱ぎ、競り落としたファンに直接手渡していた。
サンティアゴ・オークスに住むケイラ・リーちゃんは、同じクラブに所属するフィオナ・リーちゃんとパートナーを組んで、錦織選手、チャン・コーチ組に挑んだ。1セットを戦い惜しくも敗れたが「とてもおもしろかった。ケイの球はとても速く、打ち返すのが難しかった」と話した。ケイラちゃんは、将来プロを目指す大きな夢を持つ。
マイケル・チャン・コーチは、イベントを振り返り「とても楽しかった。ケイも来てくれ、多くの関係者やスポンサーに協力してもらい、成功に終わった。来年もまたここでやりたい」と語った。【永田潤、写真も】