29年ぶりのナ・リーグ優勝を決めたドジャース。ワールドシリーズが始まった。優勝パレードが見たい!
 リーグ優勝までに9回裏の逆転勝ちがあったが、あの勝ち方は熱狂する。このまま負けるのか、勝ってほしいというファンの願いとチームの気合が逆転ホームランを呼ぶ。
 この逆転満塁ホームランが場外でもあった。日本人の若者が「大叔父がLAにいると聞いて探したいと思って来た」と、手掛かりがほとんどなくやってきた。1980年代までは手紙が届いていたから、きっとどこかにいると思う、と言うのだがその住所も控えていない。どこに住んでいて何をしていたかぐらいわかれば、あの団体、あの人に聞いてみたらということにもなるが、それもできない。滞在期間中に何がみつかるか?
 南加庭園業連盟で、昔の住所録に名前と住所を見つけた。訪ねてみると既に住人は変わっていて、以前は日本人が住んでいたと聞かされる。
 全米日系人博物館では、マンザナー収容所で結婚した事実を確認。全くの新事実に驚愕。
 エバーグリーン墓地で奥さんらしい人の墓を見つけた。名前から、奥さんが働いていた職場が分かった。しかし、家族のことを話さなかったと、家族構成は分からずじまい。この職場が敬老施設で、夫の元同僚という偶然に驚かされた。
 何とか見つかった息子さんには、けんもほろろの応対に落胆。やっとのことで娘さんの住所らしきものを入手。明日帰るという日、だめもとで突撃。人影は見えていてもドアもあけてもらえなかったと撃沈(後で、内気な娘さんだとわかる)。ほとんど泣きの状態だったが、勇気を振り絞ってもう一つの住所を訪ねた。撃沈覚悟でたまたま入って行こうとする人に声をかけたら、孫! 娘にあたるお母さんと話ができ、「日本に親戚がいることが分かってうれしい! これから仲良くしていきましょう」と言ってもらえて、若者はまさかの逆転劇に大興奮。
 日本の大叔母や家族に、大叔父の墓が確認できたこと、その遺族の消息が明らかになったことを連絡。興奮を分かち合った。背水の陣で臨んだ前日の大逆転吉報! 多くの人の助けによってもたらされた。【大石克子】

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