「気候行動サミット」が12日から3日間サンフランシスコで開かれた。地球温暖化を抑える取り組みを、企業や自治体、市民などの力で推し進めるための国際会議である。加州知事が開催を呼び掛けた。こんなニュースは読んでいて思わず熱が入るし、パリ協定離脱を表明しているトランプ政権に期待できない昨今、国に頼らずに「脱炭素社会を目指す」ことに何かワクワクしてくる。
 光化学スモッグが初めて発生したのは1940年代のロサンゼルスという。LA盆地の中にあって大気汚染物質の滞留が起きやすい地形で、人口が急激に増えたことも要因だと。以来、加州では自動車排ガス規制対策をはじめさまざまな環境対策がとられてきた。
 1998年カリフォルニア州大気資源局は車や船舶から排出される排ガスの中の有害物質ががんや喘息、その他の肺疾患を引き起こすとする調査結果を発表し、早急な環境対策の実施が求められることになる。そういえば、私がLAに住む事を決めた98年、日本で見たカリフォルニアの紹介ビデオにはスモッグに覆われた灰色の空が映し出されていて、ちょっと気が滅入った。そんなことはすっかり忘れていたが、加州の厳格なまでの環境へのこだわりはそんなところにルーツがあったのだと今更ガッテンしたことだった。
 加州はシュワルツェネッガー知事時代の2006年、温室効果ガス排出量の規制(SB32)を立法化した。これは20年までに温室効果ガスによる大気汚染を1990年当時のレベルにまで下げることを目標としたもの。それが2016年の時点で早くも4年前倒しで目標を達成した、と新聞は伝えていた。すごいことだと思う。全米で最も厳格な基準を設けて結果につなげたのだ。シュワルツェネッガー前知事からジェリー・ブラウン知事へ立派に継承されていることに感動する。そして今もっと強固なものになりつつあると実感出来ることにも…。
 よきリーダーを持つことは、こんなに誇りに思えるのに、9月5日のニューヨーク・タイムズ紙に「大統領は国家に有害な言動を続けている」などと匿名で寄稿するしかなかった高官は何と不幸なことだろう。【中島千絵】

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