歓迎会に出席した同県人会の会員と来米した江口副知事一行(同県人会提供)

 南加福岡県人会(宮里勝吉会長)はこのほど、創立110周年記念式典と夏のピクニックをラ・パルマのセントラル・パークで開催した。会員や南加地区で活動する日系諸団体の代表者のほか、福岡県からは江口勝副知事をはじめ同県の井上順吾議会議長らが出席。参加者は同県人会の礎を築いた先人たちに感謝するとともに、同県人会のさらなる発展を願った。

 同県人会は1908年に設立されて以来、会員同士が故郷への思いを共有し親睦を深めてきた。毎年、新年会のほか夏のピクニック、ゴルフ大会、クリスマス会、先没者追悼法要会などを開催し交流を深めている。
 また大学進学予定者への奨学金制度を設けているほか、短期留学プログラムや県費留学プログラムの選考にも携わり、若い世代の増員にも努めている。
 宮里会長は「今回のイベントは同会の110周年を祝うだけでなく、日本からの来賓と、当地の同県人会のメンバーとその家族、友人が、カリフォルニアの太陽とそよ風を満喫し、交流を深めることを目的としている。新たな友人を作り、親睦を深めてほしい」と話した。


運動会でピンポン玉運びゲームを楽しむ子どもたち
 婦人会の内山穂波会長は、出席した会員らに110周年記念式典への参加を感謝するとともに、80歳以上の会員の長寿を祝福。「各種イベントを通して今後もさらに県人会を盛り上げ、団結していきましょう」と呼び掛けた。
 小川洋知事に代わり出席した江口副知事は、昨年の福岡県北部集中豪雨で同県人会から2度にわたり義援金が送られたことに感謝の言葉を述べた。また同県からは1885年にハワイへの移住が始まり、1900年代から本土への移住が始まったことに触れ「会員数30人程の規模から始まった同県人会は、設立以来、メンバーの心のよりどころとして活動を継続し、若者の教育事業などにも寄与してきた」とその活動をたたえた。さらに3年に1度開催される福岡県人会の世界大会が来年同県で開催されることにもふれ、会員らに参加を呼び掛けた。
 式典では同県人会の活動に長年貢献した功労者と高齢者への表彰式のほか、奨学金の授与式も行われ、ミラコスタ高校を今年卒業し、カリフォルニア大学(UC)アーバイン校(生物化学専攻)に進学したジャスミン・ミカ・ババさんに500ドルの奨学金が授与された。
 また婦人会からはババさんのほか、UCバークレー校(化学工学専攻)に進学し将来の夢はアメリカ航空宇宙局(NASA)で働くことだというコリー・ヒロシ・カトウさんの2人に奨学金が授与された。

短期留学プログラムに今夏参加したエンドウさん
 式典には短期留学プログラムに今夏参加したミユキ・エンドウさんの姿もあった。エンドウさんは現在テキサス在住だが、この日のために南加地区を訪れたという。日本には何度か訪れているが同県を訪問したのは初めてだったというエンドウさんは、滞在中は日本人家庭でホームステイを体験し、夏祭りなどに参加。「素晴らしい人々に出会え、貴重な経験になった」と振り返った。
 ピクニックでは会員が持ち寄った自慢の料理がテーブル一面に並び、参加者はおいしいごちそうに舌鼓を打った。その後、松前会による民謡や福岡太鼓クラブの小倉祇園太鼓の演奏のほか、運動会も行われ、子どもから大人まで参加者みなが一緒になって楽しみ親睦を深めた。
宮里会長(右)に記念品を手渡す江口副知事

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