昨年末に約2カ月、東京は世田谷区で日本での生活設営をして過ごした。従来の日本国内の旅行と違い地に足を着けた生活で母国とはいえおのぼりさん感覚でいろいろ体験した。中でゴミ出しの違いにも注目したので紹介したい。
僕が住むパサデナ市ではゴミの収集は週に1回で、通常の分別は一般ゴミ、芝や草木など庭からのヤードゴミ、そしてリサイクルゴミの3種類に分けて出す。これはLA郡の多くの地域で似通った方式だろう。
1400万の人口を抱える大都市東京ではゴミの行政単位は区。区ごとに違いがある中でわが体験は世田谷区の例でパサデナと大分違う。
実際は区の中でも町、また町の中でも何丁目かで規則の違いもある。住宅地と商店街ではゴミの傾向が違うから。事業のゴミは全て有料だ。
世田谷でのゴミ出しは大別して◉可燃ゴミ◉不燃ゴミ◉資源ゴミ◉ペットボトル◉粗大ゴミ◉水銀を含むゴミ等々の仕分けとなり、収集は可燃ゴミが週2回、不燃ゴミが月2回。具体的細部がまたきめ細かい。
LA郡は広大な土地に恵まれ雑多な物が含まれる一般ゴミも土中投機が主。大きな峡谷に何十年も投棄していっぱいになると土を埋め草木を生やしてゴルフコースまで作る。
東京では東京湾への投棄を最小化すべく焼却処理が主で環境配慮の要求事項がたくさんだ。その一部だけここに紹介する。
◉まず出し方は可燃ゴミは袋に入れ容器で出す、不燃ゴミは透明袋で出す。◉資源ゴミの例は古新聞、古雑誌、ダンボール箱などあるが種別に紐で結わえて出す。箱も潰して紐でまとめる。これらは再生に向う。◉生ゴミは水切りをして出す。◉植木の枝などは50センチ以下に切り束ねて出す。◉スプレー類は中身を出し切ってから出す。◉ペットボトルは再生へキャップを取り水洗いしてラベルを剥がして出す。◉体温計など水銀を含む物は区内の回収施設に出す、等々いろいろと細かい。
◉可燃ゴミは焼却分別で鉄とアルミを抽出し再生に回す。焼却灰は1/20のサイズに圧縮、一部セメントや砂の材料に利用する。◉不燃ゴミも鉄やアルミは分別抽出する。
このように東京湾も土中も投棄を最小化したい環境上の基本が見て取れるのだ。【半田俊夫】