家から歩いて10分弱の所に「成城ホール」がある。これは世田谷区役所の成城支所の名前だ。区役所の支所と言っても地下1階地上4階のビルの中に区民の生活をより楽しく豊かにする機能がたくさんあり、その一つに250人規模収容の劇場(区民ホール)もあり、落語寄席や音楽コンサートなどが一年を通じ盛んに開催されている。
 各フロアには地下1階の音楽室から始まって各階にいろいろな情報コーナーや区民の窓口や相談室などがあり、最上階の4階にはホールと呼ぶ大中小各サイズの部屋がたくさんあって、毎日そこで区民のためのいろいろなクラスや講座が開かれていて楽しそうだ。特に夕方行ってみるといろいろなクラスに老若男女がそれぞれ参加して楽しんでいる。全体が納税者である区民の福利厚生や文化学習や趣味、娯楽のための施設となっており、こういう機能や性格は米国の市役所とは全然違う。
 4階のクラスの種類はというとたくさんあり、生け花、ダンス、書道、句会、詩吟、ヨガ、空手、剣術・居合、ブリッジクラブ、麻雀、医療セミナー、避難訓練、植木クラス、街の美化クラス、武士の歩き方などなど、多彩だ。僕は剣術・居合の道場を見学中で、心身の鍛錬と伝統的武士文化を保存、伝承しようというこのクラスを取ろうかと考え中だ。
 さてここは区役所だから区民が住民票や印鑑証明書などを取る所だ。僕も引っ越して来てそういう用事で2、3度行ったが、いつも職員たちが皆すごく親切で丁寧なのが印象的だ。今は区役所や郵便局など皆そういう評判だ。固く言えば納税者である区民に対して公僕として良きサービスに徹するのは当然だろうが、今や建前でなく実態文化として根付いている。この点も米国の市役所や税関などお役所の実態とは随分と違う。
 僕は役所書類手続き以外に一度劇場をイベントで借りるにはどうするのか聞きに行ったが、係の女性が資料をたくさん提供して親切に説明をしてくれて恐縮した。また区役所に行く以外に粗大ゴミを出す手続きと、その後自分の都合で変更が必要になり、係に数度電話したが電話でも応対する職員たちはその都度とても丁寧、親切で非常に感じが良かった。レストランや銀行などサービスを競う民間ビジネスと同じ好感度で感心する。【半田俊夫】

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