エディー・カミヤ県人会長があいさつに立ち「沖縄から来た今日のゲストとともに、沖縄からのパイオニアの先人に敬意を払いたたえたい」と述べ、同日朝に記念碑があるエバーグリーン墓地に参り、先祖への思いを強めたという。110周年について「私会長と理事会だけの祝賀ではなく、会員のみなさんのおかげで祝うことができる。200周年を祝うためにがんばろう」と呼びかけた。
玉城デニー知事の代理の沖縄県文化観光スポーツ部・スポーツ統括監の山城貴子さんが、知事の祝辞を代読した。渡米した先人に対して「言語、気候風土、文化の異なる地で互いに助け合いながら、あらゆる苦難に立ち向かい、不屈の精神で乗り越え、今日の地盤を築き上げた」とねぎらった。「アメリカの社会に深く根を下ろし、政治、経済、教育、文化とさまざまな分野で活躍し深く敬意を表したい」と語った。戦後に貧困や飢餓に苦しんだ沖縄に支援物資を提供した恩を忘れず「沖縄の復興のために多大な援助を寄せてもらった」と謝意を表し「この沖縄県系人の絆の深さと結
県人会については、沖縄文化の継承と国際交流への貢献を高く評価し「将来の県系人社会を担う若者や現地の人々に琉球舞踊、三線、ウチナーグチなど沖縄文化の教育・普及に取り組んでいて次世代を育んでいる」と称賛した。沖縄のアイデンティティーの継承に尽力していることに感銘を受けるとし、沖縄との交流促進に対しても感謝の念を込めた。県は世界に広がるウチナーのネットワークの発展に力を入れており、海外の県人会とのいっそうの交流促進を努めるとし「引き続き協力をお願いしたい」と求めた。
県からの表彰では、高齢会員と功労会員(琉球芸能関係者と会長経験者)の各人に賞状が授与された。県からはまた、110周年記念の祝い金がカミヤ会長に贈られた。
自身の訪問は初めてだといい「みなさんパワーがあって元気がある。大歓迎され、会員の県に対する期待の高さを感じた。議会に持ち帰り、みなさんの熱い思いを伝えたい」と述べた。その一方で移民した1世の高齢化を案じて「これからの3世、4世、5世の人たちが、沖縄の子供たちとつながっていくことが大事。沖縄とアメリカの子供たちの今後の交流を民間のみならず、議会に持ち帰ってこれから議論し県政として進めていきたい」と意欲を示した。沖縄県人は世界に移住しているが「世界のウチナーンチュとこの北米の県人会は、沖縄の大切な財産なので、連携をさらに強めていきたい」と語り、10月30日の「世界のウチナーンチュの日」には「三線を世界中で沖縄に向けて弾いて、演奏をネットで世界をつなげ
祝宴の食事では豚の角煮や沖縄団子を味わい、余興は琉球の民謡や舞踊、祭り太鼓、沖縄空手などを満喫。最後は、お決まりのカチャーシーを参加者全員で乱舞して締めくくった。
カミヤ会長は祝賀会を振り返り「はるばる遠い日本からこの日のためにやって来てくれありがたい。各議員と自己紹介して情報・意見を交換し、一般からの参加者とも草の根交流を図り、みんなが楽しむことができ意義深い祝賀会になった」と胸を張った。「県との交流を続けて、文化を軸に会員の親睦を図りたい」と抱負を述べた。【永田潤、写真も】