スマホの充電器が壊れやすくなったことは小さな変化かもしれない。充電コードをつけたまま、ニュースやSNSのみならずドラマや映画まで見るようになったからか。さらには老眼まで始まった。これは大きな変化だ。
 大なり小なり、色々と前代未聞を経験した2020年がまもなく終わろうとしている。社会現象であれ自然災害であれ、みんなが生活の制約を受けて、時代の目撃者となり当事者となるようなことは今までなかったと思う。
 収束どころか拡大し続ける新型コロナの影響で、仕事観や人生観が変わった人も多いのではないか。当たり前が当たり前でなくなり、新しい価値観が生まれている。私にとってはオフィスに通うこと、大都市に住むこと、一つの会社に勤めることが必ずしも重要ではなくなった。
 この春転職したが2週間だけ会社に行ってあとはリモートワーク。6月には感染者が少ない地方に移住。Wi―FiとPC、スマホがあれば仕事は完結し、同僚や仲間のいない寂しさはもう過去のものとなった。会ったことがない人たちと音声だけで会議をするけれど、顔を合わせなくていい分、意見も言いやすい。
 失ったものがあるか考えてみたが特に思い当たらない。ただ足繁く通ったヨガスタジオの閉店は残念だった。思い返すとヨガの先生がよく口にしていたのは「どんなことが起きてもブレない心を作る」ということ。これがヨガの目指すところなのだと。スタジオがなくなっても、今こそ大切なメッセージだと思う。
 人間には本来、変化に適応する力が備わっているという。この先どうなるか分からないからこそ、流れに身をまかせつつ、新しい選択肢も持てるようになりたい。ひとつの仕事や組織に縛られることなく、得意なことを生かして副業をしたり、時代についていくためにITの知識をより習得したり。将来を見据えて投資に挑戦してみるのもいいかもしれない。
 経験したことのない変化のオンパレードは、これからもしばらく続くだろう。オンラインヨガを受けながらブレない心を作ることを目標に、来年のウィズコロナ時代も前向きに過ごしていきたい。【中西奈緒】

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