2月2日の節分、3日の立春から早くもひと月が経ちいよいよ3月だ。明日3日はひな祭り、三色のひし餅を食べよう。徐々に春に向けてこよみが進む中、3月は卒業式や公官庁、企業が年度末の締めの作業や整理、新年度への準備や引っ越しなどで忙しい月。やがて春4月を迎えれば日本の社会は新鮮な気分で入学式、入社式、新予算での新企画の取り組みなどコロナ禍の中も新しい活動を始める。米国の会計年度の始まりは夏が終わる9月だが、日本は自然が芽吹き花開く春4月に新年度を始める文化と仕組みが日本人の四季感と感性に合っている。
 3月1日に地元の成城から電車で9分の梅ヶ丘公園に梅見物に行った。この丘の公園には約7百本、60種の梅林が広がる。去年は満開時期に梅祭りをしていて甘酒など飲んだが今年はコロナ禍の中で催しはなし。花は散り始めていたがゆっくり丘を登り歩き静かに楽しんだ。これから3月は梅から桃へ、更に季(すもも)、そしていよいよ桜の爆発的な開花へと移って行く。
 わが家の庭の一角に早春の花を咲かせるこぶしの巨木があり1週間前から一挙に真白い花を全面開花させにぎやかになった。先月からうちの広くはないが南側の庭やデッキには家内が育てている色々な種類の花々が地面やつぼ、それから室内の花瓶に咲いている。季節の菜の花、チューリップ、それにスミレ。これは黄色、白、うす紫、ピンクなど多種類の色。他にデイジー、ラベンダー、赤いバラなどなど。東京の冬はよく晴れるので庭の花々は毎日暖かい太陽の恵みをたっぷり受けて楽しんでいるように見える。
 やがて3月下旬になれば東京は各地に桜協奏曲、いや狂想曲が始まる。皇居、隅田川、青山墓地、靖国神社などなど桜の名所は数えきれないが、わが地元成城のソメイヨシノも凄い。町の中央数本の桜並木通り、東の仙川沿い、西の野川沿い、南の東宝スタジオ周辺、北の祖師谷公園で、桜の群れが咲き誇る。だが都内の名所のように知られていないので外の人はあまり来ず地元民がゆっくり楽しめる。もうすぐだ。【半田俊夫】

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