ポール・タナカ・ガーデナ市長(右端)の立ち合いの下、宣誓する今年度の役員。左から8人目が國吉会長
ポール・タナカ・ガーデナ市長(右端)の立ち合いの下、宣誓する今年度の役員。左から8人目が國吉会長
 南加の県人会で最大規模を誇る北米沖縄県人会は19日、モンテベロのクワイエットキャノンで新年総会と親睦会を開催し、2期目となる國吉信義会長の留任が決定した。親睦会では、芸能部による民謡や舞踊、太鼓演奏など郷里の琉球芸能を披露し会を盛り上げ、500人を超える参加者が新年の門出を盛大に祝った。
芸能部による琉球舞踊
芸能部による琉球舞踊
 國吉会長が新年のあいさつに立った。ウチナーグチ(沖縄の方言)を交え英語で行い「故郷の友達と一緒に今日は大いに語らい、新年なので、ご馳走といろんな出し物を楽しんで下さい」と呼びかけた。
 日系諸団体からの来賓が祝辞を述べた。南加日系商工会議所会頭の青木義男さんは、沖縄の新年会を毎年楽しみにしているといい「若い人のエナジーが満ち溢れている」と称賛。「そのエナジーを南加日商などが進める日系社会への奉仕活動にも費やしてほしい」と話し、國吉会長と役員の活躍を確信し、会のさらなる発展を願った。
 南加県人会協議会会長の当銘貞夫さんは、県人会協議会と沖縄県人会の良好な関係について「長年にわたり相互に協力をしている」と強調。同県人会は、協議会が毎年行っている日本文化の継承者に授与する奨学金制度に協力しており、当銘さんは「支援を継続していただきたい」と希望した。 
 同県人会からの協議会会長選出は、玉栄正一さん、沢岻安和さん、比嘉朝儀さんに次ぎ、当銘さんが4人目で、協議会は今年創立50周年を迎え、秋に行う記念諸行事の実行委員長に比嘉さんが就き指揮をとる。2月9日に行われる県人会協議会の役員就任式では、当銘さんの会長就任を祝い、沖縄の真境名本流琉舞道場の舞踊が披露されるという。
沖縄空手の板割りの実演
沖縄空手の板割りの実演
 新役員がステージに登場し、ポール・タナカ・ガーデナ市長の立ち合いの下、任務を全うすることを誓い正式に就任。会場からは、期待を込めた大きな拍手が送られた。功労者表彰や鏡開き、年男・年女が乾杯の音頭をとり、昼食へ。その後も、さまざまな出し物―琉球の舞踊、民謡、三線、琴、祭太鼓の各演奏、武道の実演などが行われ、祝宴は延々午後4時頃まで続いた。
 南加の県人会の多くが、会員の高齢化による後継者不足の問題を抱えている。一方の沖縄は20年ほど前から運営を英語(各会議や行事、会報)に切り替えた結果、3世や20代の4世の入会が増え、隆盛を極めている。充実した芸能部の活動が、若者を引きつける一因だ。さらに、大学生の県費留学生制度や中高生の沖縄での短期研修プログラムを持ち、「子どもたちは『I LOVE OKINAWA』になって戻ってくる」(國吉会長)などと、若者を考えた運営を継続し、次世代の人材を育てている。
 同県人会は昨年、ロサンゼルスで開かれた若者のウチナーンチュ世界大会を後援しまた、2年に1度の芸能部のショーを開催した。今年はそうした大きなイベントがないため同会長は「非営利として活動する県人会の土台作りに力を入れたい」と述べ、数十年後を見据えた組織作りや運営方針の見直し、健全な財政を目指した改革に取り組む意向を示した。昨年はまた 新たな建物を購入し県人会館は計4棟に増え、1ブロックすべてを占めることになったという。同会長は「いかにしてこれらを利用するかをみんなで話し合っていきたい」と述べた。【永田潤、写真も】
息の合った三線と太鼓の演奏で琉球民謡を披露した
息の合った三線と太鼓の演奏で琉球民謡を披露した

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