ビデオ判定でゴールが認められ、日本の逆転に大喜びするサポーター

 サッカーW杯E組の最終戦で、強豪スペインを2—1の逆転で破り1次リーグを1位で突破した日本。その決勝トーナメント進出を決めた試合をテレビ観戦する応援イベントが1日、トーレンスで行われた。サポーター11人が集まり、開催国カタールのドーハに向け、大きな声援を送り母国の勝利を後押しした。勝利に大喜びしたのもつかの間、次戦5日のクロアチア戦に気持ちを切り替え、「次は日本代表が目標に掲げるベスト8だ」と気勢を上げた。
 日本にとっては、勝てば16強、負ければ敗退が濃厚となる大事な一戦。日本が前半に先制点を許すと、観戦イベントは重苦しい雰囲気に包まれた。だが、第1戦で強豪ドイツに逆転勝利を納めた日本を信じ、「大丈夫。まだまだ時間はある」「ここからが勝負」など励まし合いながら、懸命に声援を送った。前半は得点を奪えず、0—1で終えた。

日本の同点ゴールにハイファイブして喜ぶ石井さん(左)らサポーター

 バーバンク在住の山本唯さんは日本の2戦の戦いを鋭く分析。1戦目の対ドイツを「初戦はまだ、どのチームも選手の動きが鈍いので番狂わせが起きやすい。日本は相手の調子が整っていない強豪ドイツと当たったのがラッキーで、勝ててよかった」と振り返った。第2戦の対コスタリカは下馬評では日本が有利と見られたものの落としてしまい「心のどこかでみんなが油断していたのでは」と指摘した。スペイン戦のハーフタイムには、後半の巻き返しに期待を寄せ、「前半の日本は主力選手が出ておらず、厳しい戦いになった。だが、メンバー5人を交代することができるので、後半は選手の起用方法が重要。途中出場する選手が勝負を決める鍵になる」と予想した。
 後半、日本はドイツ戦と同様にスピードと得点力のある選手を投入。逆転劇の再現を図る選手交代に会場は沸いた。すると後半3分、起用に応えた堂安が同点ゴール、その3分後に立て続けに、田中が逆転ゴールを決めた。2点目のゴールにイベント出席者による歓喜の輪ができたが、すぐに、ボールがゴールラインを割ったとの判定に、ぬか喜びだったとため息をついた。だが「待って、待って、まだ審判が話し合っているぞ」との声に目を凝らし、ビデオ判定に持ち込まれた判断を息をのんで待つことに。そして結果は覆りゴール。2点目ながらこの試合3度目の歓喜を味わった。
 2—1で逃げ切りたい日本にスペインは容赦なく襲いかかった。「あと残り40分もあるよ」「怖い怖い、もうやめて」などと叫びながらの観戦。会場に設置されたもう1台のテレビでは同時刻に進行するドイツ—コスタリカ戦が中継されており、スリリングな展開を繰り広げるライバルの戦況を横目でにらみながら、「日本が同点なら?」「もしも負けたら?」「得失点差はどうなるの?」などを計算しながら予選通過を祈るばかり。試合終了の笛が鳴り、猛攻を幾度もしのいだ日本が勝利を確定すると、さながらドーハで観戦しているように熱を入れて応援していたファンは喜びを爆発させた。
 選手交代で流れを変えた日本の戦術を的中させた山本さんは「結果的に監督の采配が当たり勝ててよかった」と喜び、後半開始から途中出場して同点ゴールを決めた堂安と三苫の活躍をたたえた。「この2人が入ったことにより、連携が急に取れるようになりボールがつながるようになったことが大きかった。日本は2位でよかったのに、まさか1位で通過するとは思っていなかった。こんなことになるとは」と、予期せぬ快進撃を驚いていた。

日本の決勝トーナメント進出を喜ぶ応援イベントの参加者

 アーバインから来た上原紫乃舞(しのぶ)さんは、「にわか日本代表ファン」と自称する。普段はサッカーに興味はないが、W杯の日本戦を見るためにスポーツチャンネルを契約したという。2試合は自宅で見ていたが、物足りなさを感じ「みんなで日本を応援したくてここに来た。前回、コスタリカに負けて、今日は強いスペインなのでダメかもと思っていたが、勝つことができて信じられない。スペインに勝っての大金星。今日は1日中元気でいられそう」と、感無量の面持ちで声を弾ませた。さらに勝利の余韻に浸りながら「終盤は追いつかれそうになり苦しい試合だったけど、日本人は苦境の時でも我慢して耐えることがうまいので、今日はそんな耐え抜く戦いをして勝ってくれた。日本人のいいイメージを世界にアピールすることができたいい試合だった。日本人として誇りに思う」と力を込めた。「『おれが入れる』という強気の発言を聞いて堂安の大ファンになった」と言い、堂安が同点ゴールを決めた瞬間には飛び上がって叫んだ。有言実行のヒーローと日本代表の応援に、次の試合の観戦イベントにもまた参加する意思を示した。
 今回開催された日本代表応援イベントは、夏祭りなどのコミュニティーイベントを企画・運営する「Bridge USA」社(石井義浩社長)が催した。日本人社会きってのサッカー通の石井さんは、2018年に設立した「日米サッカー協会」の会長を務めており、30以上のチームが出場する子どものサッカー大会(選手約500人、観客約500人)を年3度開いている。また、トーレンスとアーバインで子どものサッカースクールを経営している。
 日本代表の予選突破に目を輝かせる石井さんは「ドイツに勝ち、日本の強豪国相手の勝ち方が変わってきた」と見る。その戦術は「前線に足の早い堂安や浅野を並べ、チャンスを狙ってカウンターアタックを仕掛けてゴールする。そして、しぶとく守り抜く。あれしかない」と力説する。「今日のスペイン戦でも同じ戦法で勝った。集中力を切らさず、見ていて面白かった。相手にシュートを打たせず、後半の猛攻を封じたディフェンスを特に誉めてあげたい」とたたえ、後半に畳みかける監督の采配を絶賛した。
 石井さんは「日本初のベスト8の瞬間をみんなで見たい」と希望し、次回のイベント参加を呼びかけている。同社の次のテレビ観戦イベントは、トーレンスの会場で5日(月)午前7時に開始する。詳細は、電話310・532・5921。メール—
 info@bridgeusa.com 

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