携帯電話さえ使わない夫が、初めてオンラインショッピングに挑戦したのは先月。「めでたい物が欲しい」と宝船の置物を日本のサイトに見つけてからだった。米国からのショッピングは当初スムーズには進まなかったが、どうしても欲しかったらしく、何日もかけてようやく支払いまでこぎ着けた。ところが、喜びの祝杯をあげた数日後には、意気消沈する事態が待っていた。
夫が何気なく商品の出品者名を検索にかけてみたところ、「偽サイト」という言葉が登場し、ビックリ仰天したのだ。「詐欺サイトメールアドレス」というサイトもあり、こちらを私がチェックすると、夫に送られてきたと同一のメールアドレスが出てくる始末。既に何人か被害があったらしい。大きく膨らんでいた夫の胸は一気にしぼんでしまった。
思い返せば、傍らで見ていて気になることはいくつかあった。が、人を疑わない夫が張り切ってタブレットに向かう様子に、水を差すのはためらわれた。「失敗したら授業料だと思わなきゃね」と言いながらも、うまくいくように私も心から願っていた。
事態を理解した夫は、それからいろいろなサイトを見つけた。特に、福岡県警察の警告サイトは今になれば思い当たることが多く、最初から知っていればと悔やむことばかり。同サイトは、偽サイトの見分け方として以下のことを挙げている。
▽URL部分が暗号化通信ではない(つまりhttpの後にsが無い)▽日本語が不自然▽商品に統一感がない▽商品が相場より極端に安い▽決済方法がいろいろあるように見えても結局は銀行振り込みしか選択できない▽(会社概要に)住所が存在しないか、実在しない住所が記載されている▽電話番号の記載がない。
どうしたものかと思案していた夫は、騙された金は戻らなくとも被害を報告せねばと再度タブレットに向かい、振込先銀行と福岡県警のウェブサイトに事情を書き送った。そして、銀行振り込みで世話になった福岡の義弟と商品を受け取ってくれるはずだった高知のいとこへも重い心で連絡。こうして、夫の初のオンラインショッピングは苦いレッスンで終わった。皆さまもどうかご注意を。(楠瀬明子)
