二世週祭がたけなわな8月半ば、小東京だけではなく各仏教会などで夏祭りや盆踊りがにぎやかに開催されている。
 二十歳(はたち)前に渡米し、両親と初めて二世週祭を見た時は「わぁ~!」と思ったものだった。
 福岡出身なので、主な祭りといえば「紺屋町子供獅子祭(ぎゃんぞい)」「博多どんたく」「博多祇園山笠」の三つしか思い浮かばない。
 改めて調べてみると、紺屋町子供獅子祭は2020年に市の無形民俗文化財に登録されたとある。僕が小さい頃は意味も分からず(今も分かりません)「ぎゃんぞい」の掛け声で町中を回ったものだ。一時期途絶えていたらしいが、1972年に町の有志たちが頑張って復活させ、今に至るという。
 この「ぎゃんぞい」や「どんたく」は時期が違うから祭りでも盆踊りはない。夏場になると近所の神社やお寺さんなどでは盆踊りが催されていたのだろう。参加したことはないが屋台やテキ屋の兄さんたちがべっ甲あめやカルメ焼き、焼きトウモロコシを売っていたのを眺めていた記憶がある。
 「どんたく」も2日間の観客総動員数が200万人を超えるにぎわいとか。「どんたく」のパレードの一部はしゃもじを持って練り歩く。なぜしゃもじかというと、一説には「食事の用意をしていた主婦がどんたくのはやしにつられて外に飛び出し、手に持っていたしゃもじをたたいて行列に加わった」のが始まりとある。なんとも博多の人間らしい。
 「どんたく」は、昔は路面電車を利用して、電飾で飾り付けをした「花電車」と呼ばれる電車を走らせていた。電車路線がない現在は大型自動車に飾り付けをした「花自動車」を走らせているそうだ。何となく某ネズミの国のパレードみたい。小規模だけれど。
 こうやって振り返ってみると、どの祭りも小学生の頃に友達に連れられて楽しんでいたが、大きくなってからは一歩下がって見ていたようだ。思い出せば懐かしいが、変わりすぎて今見たら「うぇ~」となるかもしれない。(徳永憲治)

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