当時の林芳正外務大臣(右)から表彰状を授与される若尾龍彦さん

 「海外有権者ネットワーク・日本」代表で羅府新報「磁針」執筆者の若尾龍彦さんがこのほど、令和5年度外務大臣表彰を受賞した。表彰の功績は領事・移住事業推進への貢献。若尾さんは現在、日本の川崎市に在住。「海外有権者ネットワーク・日本」の代表を務めている。表彰状は外務省の「飯倉公館」で、当時の林芳正外務大臣(現官房長官)から受け取った。
 若尾さんは林氏と談笑した感想を以下のように語っている。

林芳正前外務大臣(右)と写真に納まる若尾龍彦・フミエ夫妻

 「気さくな方で、山口県選出の国会議員。私も幼少期に山口県の玖珂にいたことがあるので山口の話題になった。ロサンゼルスに住んでいた折にあった山口県人会100周年記念の祝賀会に当時の二井関成知事が出席され、『これが山口のお酒です』と旭酒造の『獺祭』を紹介したことなどを話した。近年『獺祭』は外国賓客をもてなすレセプションによく用意されているという。最近ニューヨークに大きな工場を作ったが、この酒造は科学的な管理方法で醸造され、ベテランの杜氏を必要とせず、外国での酒造には向いている、などの内容。それから後は『在外投票制度の改善運動』に関してその意義と必要性についてお話しした」
 日本の在外投票は1998年、初めて比例代表への投票制度が実現した。さらに最高裁・大法廷の違憲判決により、2007年の参議院選挙から、海外在留者が全ての国政に参加できる在外投票制度が実施されるようになった。「海外からの視点を国政に生かす」という願いで始まった若尾さんらによる実現運動が実を結んだのだ。
 だが「在外選挙人登録」や在外投票率は当初の予想に反して低迷し、初期目的の達成に至っていないという。これは海外有権者の投票意識の問題もあるが、現行の在外投票制度が海外の実情に合わず、選挙人登録や投票行動に結びついてないことに起因する。
 現行の在外投票制度をさらに使いやすいものに改善する運動を進めるため、現在、「海外有権者ネットワーク・日本」は世界各地の有権者に呼びかけてネットワークを構築し、情報を交換すると共に、世論を喚起して、在外投票制度の改善を目指している。より良い在外投票制度を実現し、海外からの視点を国政に反映することを望んでいる。
 若尾さんは、「世界中でデジタル化が進む中、在外投票人登録などのネット登録が可能になりつつあり、ネット投票への環境は整いつつある」と言う。「後は議員の決意次第。投票率が上がれば、メディアも海外から見た国政への投票結果を報じるようになるだろう。超党派の議員連盟の皆さんも頑張っている。遠からず実現することを信じてやまない」と述べた。
 1月16日、日本政府は閣議で、在外投票の際に必要な「在外選挙人証」の発行手続きを迅速化する公選法施行令の改正を決定した。これまで日本国内の選挙管理委員会が選挙人証を書面で発行し在外公館に郵送していたが、在外公館がメールでデータを受け取り、印刷して有権者に交付できるようになるなど、7月19日の施行からは申請から交付までの時間が大幅に短縮されるという。こうして若尾さんの夢が一歩、近づいた。
 若尾さんは「死ぬまでになんとか在外ネット投票の実現を見届けたい」と願っている。
 海外有権者ネットワーク日本のホームページ—
 http://www.jovnet-japan.org/index.html
 7月の改正に関する情報(外務省)—
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_00210.html

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