米国を旅すると食費を節約するために、食料品の買い出しにスーパーマーケットへ出向くが、聞いたこともないチェーン店に遭遇する。そこで大体の店は会員割引が特典のメンバーカードを発行しているが、その都度、作るのは面倒だし、何度も通うことがないだろうから、メンバー登録をすることはない。ただ、会員向けの割引は捨て難い。
先日メリーランド州ボルチモアに滞在した際に行ったスーパーでは、6・99ドルのローストチキンが会員価格4・99ドルに、Breyersの48オンスのアイスクリーム5・99ドルが会員価格3・99ドルとお買い得になっていた。これだけ安くなるなら会員登録しようと思ったが、気を効かせた店員が登録せずともメンバー価格の割引をしてくれた。店員自らお客さんが得するようにサービスをしてくれる。米国も捨てたものじゃないと思った。
話は変わり、その翌日、ゲストを空港へ見送りに行った時のことだ。3人の乗客に対して、チェックインする荷物が7個。アジア人の担当は一つ目が35ドル、二つ目が45ドル、三つ目に至っては150ドルの料金が発生するという。総額390ドルを支払う羽目になったわけだが、背に腹は変えられない。やむを得ずクレジットカードを渡し、支払いを始めた時、急にゲストの1人が同航空会社が発行するクレジットカードを持っていることを思い出した。すかさず、そのカードで割引が効かないかを問うと、案の定、一つ目が無料になると言う。瞬く間に、240ドルも安くなった。
当たり前といえば、当たり前だが、担当は嫌な顔もせず、にこやかに対応し、さらに、こんなことを言い出した。「七つ目の荷物はとても軽量なので、無料でいいですよ!」。まさかのどんでん返しオファーにゲストは大喜びだ。言われるがまま支払っていたら、390ドルだった受託荷物料金が最終的に105ドルになり、担当者には後光が差していた。
しかし、後になって考えてみると、最初からこの担当者が、同社発行のクレジットカードを持っているか、メンバーかどうかを聞いてくれたら、この一喜一憂はなかったのではないか? いずれにしても、支払う時は常に考え、交渉する癖をつけておきたい。(河野 洋)
