かかりつけの歯科医の母のモーリーさんが元気で100歳を迎えて、所属する仏教会で祝賀会が催され、Eメールで招待状を頂いて喜んで参加した。
昨年の今ごろだったか、職場のホリデー・イベントに99歳の2世がクッキーを焼いてくれた話を紹介したが、そのモーリーさんである。
「ハッピーバースデー」と声をかけるとちょっと恥ずかしそうな笑顔を見せて「今年のファンドレイジングはいつなの、またクッキー焼いてあげるからね。良い大根が手に入ったら漬物も作るよ」。彼女は去年の約束をきちんと覚えてくれていたのだ。無理をしないでほしいけれど、元気な2世に会うのはうれしい。
そして楽しかったのは、このお祝いに駆けつけたゲストの中に、なんと104歳のエスターさんが居たことだ。
2人ともつえこそ突いていたもの、しっかり自分で歩いており、その他にもちょっと見回しただけで大勢の90代が元気な顔を揃えている。皆、久し振りに出会ったようで、会場はまるで同窓会の様子を呈していた。
第2次世界大戦中に北フランスのブリエアの街をドイツ軍から解放し、山に包囲されていたテキサス大隊を多くの犠牲者を出しながら救出した日系442部隊の勇士であった2世ポストのイーノック・カナヤ氏は、去る5月、フランス政府から外人部隊に贈られる最高の栄誉勲章を受章したが、彼は99歳。まだ車を運転し、自分より若い友人を送迎していたが、高齢を心配した娘さんに引き取られてニューヨークに引っ越してしまった。
30年ほど前、私がシカゴ新報で仕事をしていた頃は「1世の誰かが100歳になった」というのは大きな、そして珍しいニュースだったが、今やこの小さな日系社会にさえザッと数えても100歳が5指に余る。
1世が皆無となった日系社会で、元気な2世は貴重な存在だ。みんなが健康という訳ではあるまいが、薬や最新の医療に支えられ、家族や介護士のサポートを受けながら、豊かで穏やかな暮らしの中で長寿記録を更新してもらいたいものだ。
第2次世界大戦や、屈辱的な強制収容所生活の最後のそして貴重な歴史の体験者たちである。(川口加代子)
