
品評会で日本一に輝いた鹿児島黒牛や焼酎など鹿児島の県産品と観光の魅力を紹介する物産展がこのほど、ジャパン・ハウスで開かれ、米国市場進出に意欲を示す18業者が自社商品を売り込んだ。食品業者は県産品の食材を用いた料理を振る舞い、素材の良さとおいしい食べ方を飲食業界関係者などに伝えた。

会場には、かつお節、かつおだしなど天然素材の調味料、お茶、みそ、しょうゆ、黒酢、黒糖、麺類(そば、うどん、ラーメン、焼きそば)、郷土菓子(サツマイモを使ったあめやチップスなど)といった食品に加え、甲冑(かっちゅう)、薩摩切子(カットグラス)、大島紬など工芸品のブースも並び、展示説明やサンプルの配布、試食を行った。また、和牛のカッティングデモンストレーションと本格焼酎に代表される発酵文化のレクチャーが行われた他、桜島や世界遺産の大自然を前面に押し出した観光案内の動画で観光客の誘致に努めた。
県産の食材を使った試食品はジャパン・ハウス直営のレストラン「UKA」が調理し、ブランドの黒牛(2022年の品評会で日本一)をはじめ黒豚、ウナギ、ブリの刺し身、こうじを使った鶏の唐揚げ、サバの味噌煮などが提供され、人気を博した。
南加鹿児島県人会創立125周年記念の祝賀会参加のために来米した鹿児島県の塩田康一知事があいさつに立ち、九州最南端に位置する鹿児島が沖縄の県境まで直線距離で南北600キロに及ぶことを説明し、「雄大な桜島、世界遺産の奄美大島、徳之島など大変豊かな自然に恵まれている。高級品では日本一の和牛や、米国への輸出量も多いブリをはじめとする農・畜・水産の宝庫である」と強調した。また、「本日は鹿児島を代表し18の事業者が参加している。それぞれが誇る特産品を提示し、直接、商談もできる場を設けているので、交渉してほしい」と呼びかけた。
大島紬の着物を身に着けた塩田知事は「大島紬は1300年の歴史と伝統を誇る工芸品で、世界三大織物の一つといわれている」と紹介し、「県産品の特性や優れた点を理解してもらい、鹿児島の食品と伝統工芸が米国の市場で一層広まることを期待している」と述べた。
今回の物産展は、鹿児島県内で貿易会社を営む弓馬秋信さんが取り引き業者に参加を促した。弓島さんは、産出額で全国2位を誇り鹿児島の基幹産業である農業について、「鹿児島は原料を生産できる強みがある。その原料を用いて加工品を作ることができるので、他地域に比べて優位性がある」と説明した。

弓馬さんの食品輸出先の中で、ニューヨークとロサンゼルスの東西二大消費地に支えられた米国への輸出額は最大で、他の台湾、マレーシア、オーストラリア、ドイツを大きく引き離しているという。これから新規開拓を狙って米市場に切り込む業者について、「輸出先の本命は米国であることは全業者の共通の認識。日本の市場は少子化などにより非常に縮小しているので、今後の広がりは見込めず販路拡大の道は輸出しかない」と語った。また、「米国市場は先進国の中でも人口が増えており、市場規模が大きく魅力的でやりがいがある。また日本食が人気なので参入しやすい」と述べた。
南カリフォルニアでの県産品の小売りは、「ニジヤマーケット」で行っていると話し、「良質な商品を少量多品種で卸している。ニジヤでは毎年、鹿児島フェアを開いているのでぜひ試してほしい」と期待を寄せた。米市場での戦略について「米国人には鹿児島の良い商品を分かってもらえると思う。自分たちが売りたい物を輸出するのではなく、米国の消費者がどういう物を望んでいるのかをリサーチし、必要とされる物を供給したい」とも語った。 (永田潤、写真も)

