
約3年間の任務を終えた曽根健孝前総領事は麻未夫人と共に11日、日本に帰国した。離任レセプションが9日、総領事公邸で行われ、日系コミュニティーを中心に約160人が参加し、夫妻との別れを惜しんだ。

退任のあいさつに立った曽根氏は、日米関係について「交流を肌感覚で理解するよう努め、両国の関係をさらに拡大・深化させることに注力してきた」と説明。「日本との関わりを大切にする多くの米国人の皆さんに深く感謝したい」と話した。
曽根氏は3年間を振り返り、日本人と日系人以外のコミュニティーとの連携にも力を注いだことや、水素技術、半導体、宇宙、スタートアップなどにおいて当地で活動する日系企業との協業、日本の伝統文化、エンタメ、日本語教育、青少年交流、姉妹都市交流、スポーツ交流などの推進に努めたこと、ジャパン・ハウスを通じて日本の魅力発信に尽くしたことなどを挙げ、「総領事としてさまざまな案件に取り組んできたが、あまりにも多くの出来事があり、心を揺さぶられる瞬間を何度も経験した」と、しみじみと語った。
総領事館職員に対しては「皆さんの協力なしでは、私は何もできなかった。総領事館への貢献に感謝したい」とねぎらった。さらに「妻の麻未にありがとうと言いたい」と力を込めると、会場から拍手が送られた。「周知の通り、妻は私よりも優れた『外交官』である。妻であるだけでなく、仕事のパートナーとして最良の方法を話し合い、助けてもらった。妻がいてとてもラッキーだった。妻の献身に感謝したい」と頭を下げた。
後任の室田幸靖氏については、国家安全保障局で内閣審議官を務めた経歴を紹介し、「引き続き変わらぬ支援をお願いします」と述べ、締めくくった。
南加日系商工会議所会頭の竹花晴夫さんは、曽根氏について「日米の架け橋役となり、われわれと非常に密に連絡を取り合い仕事をした。総領事夫妻は、日系コミュニティーのほとんど全ての大規模イベントに参加し、私と頻繁に顔を合わせ、友人のように接していただきありがたく思う。日系コミュニティーを支えながら、米国から日本をどのように盛り上げていくのかを常に考えていた」と語った。「着任時に『敷居のない総領事になりたい』と話していたのが印象的だった。その言葉に性格が表れていて、とてもフレンドリーで、官僚的でなく庶民的で、われわれと同じ目線で接してくれたことがうれしかった。日米関係と日系コミュニティーのために尽力したことに感謝したい」と曽根氏をたたえた。
ジャパン・ハウス ロサンゼルスの海部優子館長は、「麻未夫人と二人三脚で、規模の大小にかかわらずイベントに参加し、友人のように接してコミュニティーに溶け込んだ。土日はほとんど休みがなかったのではないかと思う。コミュニティーとの垣根がない総領事館を作り、とても立派だった。知的で戦略的に仕事をこなすエリートなのに、エリートさを感じさせない気さくな総領事だった。なかなかできない細やかな気配りのできる、素敵な夫妻だった」と述べた。さらに、「日本人と日系人のコミュニティーに深く関わった麻未夫人を尊敬している。元教師らしく、日本語教育をどのようにすればよいか、常に考えていて感心した」と振り返った。日本のPRを担うジャパン・ハウスとの協働については「時間が許す限り全てのイベントに参加してもらった。相談に対しても良い助言をいただいた。ジャパン・ハウスの名誉館長のような存在として、われわれの活動を支えてくださり、感謝している」と述べた。 (永田潤)
