同賞は1963年に創設されて以来毎年、南加日系婦人会と日系市民協会(JACL)ロサンゼルス・ダウンタウン支部が選出し、表彰式を共催している。55回目を迎えた今年は、ミコ・ハゴット・へンソンさん、スーザン・カズエ・井本さん、マーリン・マサミ・オカダさん、アイリーン・シゲコ・スミダさん、山本教江さんが受賞。
開会のあいさつに立った南加日系婦人会のラモス逸子会長は、これまでの受賞者が177人に上るとし「日系社会には、いかにすばらしい女性が多いことかが分かる」と強調。「今日の表彰者は、女性としてすべての美徳を持っている。これからも若々しく、われわれの鑑(かがみ)になってほしい」と期待を寄せた。JACLのジョージ・キタ支部長は、受賞者をたたえ「日系コミュニティーに長年献身する功績は計り知れず、皆受賞に値する活躍をしている」と絶賛した。
「小さい時から踊りが大好きだった」と語る井本さんの日舞に対する情熱は、今も変わらず「寿の会」の会主、井本豊春寿として門弟の育成に力を注ぐ。踊りの披露は、二世週祭など日系の諸行事はもとより、他の社会の行事に積極参加し活動の場を広げる。「私の生徒は、英語を話す人ばかり」という弟子たちとともに「アメリカ社会で日本文化を知らない人に紹介したい」と、伝統文化の継承に意欲を示す。
元小学校教師のスミダさんは、現役中から地元サンファナンドバレーの日系社会で活躍。同コミュニティーセンター理事、高齢者向け生活支援型施設「日系シニアガーデンズ」では会長を務めた。同ガーデンズが運営資金難に陥った時には「親孝行基金」を設立して基金集めを主導。約60万ドルを捻出し、経営改善に大きく貢献した。「若い世代が、年長者を敬い、老後を助ける責任を持てば、社会の絆は維持される」を信念に奉仕を継続する。