バンクーバー冬季五輪が終了した。
中国の極彩色、ハイテクの極みを見せ付けられた夏季五輪の後ではいささか物足りないかもしれないが、自然環境を大切にしようというテーマが前面に押し出されて、爽やかな開会式典だった。
開催国がお隣ということもあり、時差で深夜までテレビの前に釘付けされることはなかったが、日米選手の応援に力が入り相当肩こりがひどくなった。
擂鉢の淵から底まで滑り降り、その勢いで空中高く舞い上がり回転をしながら再び滑降するスノーボードの妙技に感心しながら、「それにしても、選手たちのユニフォーム、何とかならないのかしら? 上着もズボンもダブダブ、ベルトのいちが腰骨の辺りまでさがっている。街でティーン・エイジャーが遊んでいるわけじゃないでしょ? どうも締りがなくて…国際的なスポーツ・イベントで…」と文句を言ったら「あれがカルチャーなの。ファッションよ」と娘に一言で片付けられた。
自分ではまだ若いつもりだが、ああいうスタイルを受け入れられないのは、頭脳も心も老化現象が出ているということらしい。
アイス・ホッケーでは男女ともアメリカはカナダに金メダルを取られてしまった。あれはカナダの国技みたいなものだから、何が何でも他の国に金メダルを譲るわけにはゆくまいが、女子チームがアメリカを下した後の祝賀の様子はどうだろう。可愛い(?)選手たちが突然葉巻をスパスパ、ビールのぐい飲み。それも競技場のアイスの上ですよ。それに加えて、選手の中にはまだアルコールを摂取できない未成年がいたそうで。
4年間の厳しい練習と、五輪の国際舞台で国民の期待を双肩に担い、大変なプレッシャーもあったことでしょう。それらから解放された瞬間とはいえ、もうバラバラに解けてしまって…、情けない。
ホッケーをやるからには、アマチュアであろうと、女性であろうと、タフなのは結構だが、氷上での葉巻とビールはいただけない。
ン? 私、やはり古いんでしょうか?【川口加代子】