ショッピングモールにハロウィーン用のコスチュームが飾られ、秋も深まろうという時季に、ロサンゼルスに猛暑到来。昨26日(日)の気温はダウンタウンで華氏105度(セ氏40.5度)を記録。場所によっては110度(セ氏43.3度)を超えたところもあって、今年一番の暑さ。100度前後の日があと一両日は続くとのことだ。
 気象予報士がつい先日、「今年の南カリフォルニアの夏は例年より気温が低く、秋は早まりそう」と予報。それを信じて夏物衣類を整頓してしまった家庭では、再び夏物を引っ張り出す。自然に対処する人間生活の不確かさを垣間見るようなシーン。
 今年は、日本の夏も相当暑かったようだが、セ氏38度くらいが上限で40度を超えたとの報告はない。しかし、日本は湿度が極めて高いから体感温度は南カリフォルニアの比ではないだろう。熱中症で病院に運ばれた人が続出したほどに、エアコンがなければ夜も眠れない蒸し暑さ。地球の温暖化は全生物にとって脅威だが、眠れぬ真夏の夜は当面の脅威に違いない。
 ともあれ、地球規模で異常気象が言われている。猛暑だ、豪雨だ、洪水だ、暴風だ、冬は豪雪だ、大寒波だと、世界各地で非常事態、大災害が続出している。
 しかし、少しだけ冷静に考えてみると、こうした現象は自然本来の営みにすぎないのだ。自然には、キッチリとしたルールなど存在していない。自然は、自ずから然りと書く。気象は年々、あるいは数十年、数百年単位で常に変化し続けているのが当たり前で、人間はある現象に遭遇したら、勝手にそれを異常と捉えているだけなのかもしれない。
 企業広告などに「地球に優しい商品」などとのキャッチフレーズをよく見るが、厳しい見方をすれば、これなど人間のうぬぼれの典型。人間ありきの発想で、人間は自然の中ですべての生物とかかわりあい、自然の恩恵を受けながら生きていることを完全に忘れ去っている。
 人智をはるかに超えた周期で変遷する自然界の出来事。ハロウィーンのように、トリッキーな自然など有り得ないのだ。【石原 嵩】

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