先週の氷雨は標高500フィートの山稜まで雪化粧。週末には晴れ上がって、LAダウンタウンの高層ビル越しに見る冠雪のサンバナディーノ山系が美しい。
 毎週日曜、文化活動や県人会活動が盛んな日系コミュニティーでは、グループごとの新年会が続いているが、季節は、はや3月。気温が徐々に上がって、本格的な春の足音がすぐそこまで聞こえてきて、気持ちをウキウキさせてくれるけれど、ここにきて急激に上がってきたガソリン価格には誰もがうんざり。イライラを募らせる。新年会の席でも、1ガロン5ドルを超えるのでは、との声。皆がみな、心配の面持ち。
 リビア、イランなど中東産油国の混乱が石油市場を不安定にしている半面、供給量も備蓄量も充分にあるのだから、急激な価格高騰は需要と供給のバランスに基づかない別の要因による、経済常識に反した現象との分析も。投機筋の策略的な価格吊り上げとみるむきも強い。
 それでも車社会の宿命で、ガソリン価格がいかに高騰しようとも、買わないわけにはいかない。ガス欠では車は走らない。2008年10月以来の高値を更新し続けるガソリン小売り価格。このまま高騰が続けば、せっかく回復基調にある個人消費が抑制される可能性も高い。
 個人消費が停滞すれば、財源難にあえいでいる市、郡、州、連邦政府はさらに苦境に。解雇を極力避けるために職員の団体交渉権を制限し、優遇されているペンションプランなどを見直したいとするウイシコンシン州に続き、オハイオ、インディアナ、ミシガン、フロリダ州などで「ない袖でも振れ、いや振れない」の論争が続く。
 カリフォルニア州では、「無駄をなくして、次期会計年度で3億6300万ドルの経費削減を図る」と知事が宣言。ということは、これまでの役所仕事には、いかに無駄が多いかを白状したようなもの。
 でも、「過ちを改むるに憚ることなかれ」だ。徹底して無駄を省けば、増税の必要性も低減する。善は急げ、税は急ぐな!【石原 嵩】

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