3月11日に発生した、未曾有の大震災。地震から発生した津波は多くのものを飲み込んでしまった。
放送される映像は、あまりに想像を超えていて映画の場面に見えた。現実だと思わされたのは、実際日本の実家と全く連絡が取れないことだった。Eメールを送っても何の返事もない数日がなんと長かったことか。
岩手でも内陸だったため家族や親戚が無事で、被害なしの連絡を受けたときは、気が抜けてしまったが、心配に労力を使う必要がなくなったから、その分で他のことをしなければと思った。ちょうど、小東京の交番で募金活動が始まった。
じっとしていられない気持ちから募金活動に参加する若者。少しでも役に立てば、と募金に協力する人は、あなたは日本から来たのか、日本に知り合いがいるか、と被災地との関係を心配して聞いてくる。日本の家族は大丈夫かと安否を尋ねて来る。
昨夏、仙台にホームステイして親切にしてもらった、と日本円を入れていく学生風の女性。日本に何度も行っている。あの美しい風景が壊れたのかと思うと本当に辛いと、悲しそうな顔の女性。日本に行ったことがある、関係しているアメリカ人は具体的に心配する言葉を口にし、ニュースで震災の映像を見た人たちは、痛ましい、ひどい惨事だと同情を表す。
日本から、わざわざ震災後の様子を知らせるために来たという若者、旅行している間に知って驚いている、全くニュースを見ていなくて…日本にいるより安全だから行ってこいと出させてもらったというLAマラソン出場者など、いろいろな人に出会い、情報交換の場にもなっている募金。
募金の様子も日を追うごとに、変化してくる。既に寄付したからというエクスキューズが増える中、続けて毎日お金を入れる人がいる。それも一人ではない。地震や津波は終わっていない。この継続こそ大事なのだと、勇気付けられる。
街頭募金に立つ者にも、差し入れの支援をいただく感謝の日々、励まされる。人々のぬくもり、気持ちの掛け合いが復興の原動力になるのではと思う。
私たちも頑張る! 日本、頑張れ!【大石克子】